2010年1月31日
【A】 ARDBEG / アードベッグ
アイラ(島)地区A
【A】 ARDBEG / アードベッグ
●ウェブ・サイト・・・・http://www.ardbeg.com/ http://www.ardbeg.jp/
●所在地・・・・・・・・Port Ellen, Isle of Islay, Argyll
●創立・・・・・・・・・1815年(1794年)
●所有者・・・・・・・・Moët Hennessy, Louis Vuitton S.A. (Glenmorangie plc)
●発酵槽・・・・・・・・オレゴン松×6基
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・ウーガダール湖、アリナムビースト湖
●ブレンド銘柄
ベイリー・ニコル・ジャーヴィー
ブラックボトル
バランタイン
ティーチャーズ
シーバス・リーガル
ロイヤル・カリス
ブレンドに関しては前オーナー、現オーナーのものに当然多くなされているでしょう。それ以外のブラックボトルは「The Scotch Whisky Distilleries (Misako Udo)」から抜粋。シーバス・リーガルは大全(2009年版)より。ロイヤル・カリスはボトラー(Vintage Malt Whisky Co.)ならではのブレンド物でしょう。現オーナー所有の銘柄であるハイランド・クイーン、ジェームズ・マーティンズへのブレンドも考えられる。
バランタインについては、以前魔法の7柱の1つとして紹介されていたが、オーナー変更の為か最近は紹介されることが少なくなった。代わりにラフロイグがバランタインのメイン・モルトとして紹介されてる記事を最近見かける。
創立1794年はイリーガルな蒸留所としての記録。公には1815年創立で、1817年より蒸留開始となっている。
【ティスティング No.122】
アードベッグ 10年 40% 蒸留所詰め
For U.K, 90's Rotation
【色】
ゴールド。(チャート0.4~)
【香り】
薬品やタール。麦芽、丁字、陳皮、バニラ、シェリーの様な酸。香りの層は厚くなくニュー・スピリッツを連想させるような若さとフローラルな裏打ちも感じる。
【味、フィニッシュ】
ライトな口当たりから徐々に顔を覗かせる煙。ややスパイシーでバニラの甘みとタンニン&煙。余り考えることの余地が無い単純明快な味わい。アフターは10年熟成にしては長め。
【総評】
前オーナーがラストに詰めたと思われるアードベッグの10年物はライトでスイスイ飲めてしまう1本。
味わいの層は余り厚くなく、酒質が非常にライトで重さが無い。ピートと言うよりも、煙、タールというキーワードが連想され、本来アードベッグが持っている個性を感じやすいボトルではないかとも思う。
現行のボトルは度数のせいもあってか、更にスピリッティでフローラル。飲み応えはあるが、今回のボトルと比べると少々ツッケンドンな感じを覚える。
ま、単純に美味い物を探すのであれば今回のボトルより美味いものはゴマンとありますので、わざわざ高い料金払って飲むことも無いと思いますが、アードベッグがほとんど出回らない時期のボトルですので貴重であることは確かです。
現在の蒸留所詰めは10年、ウーガダール、アリー・ナム・ビースト、その他リミテッド物多数。悪徳商法のように次々とリリースされるので(笑)オフィシャルだけでもかなりの種類が楽しめるが、リリース直後に高騰してしまう嫌いがあり、カスタマーとしては高く買わされない様に事前の情報収集も必要かと思う。
ボトラー関係も現在はかなりのリリースがあるので楽しみの幅は広いと思うが、今後グレンモーレンジの様にボトラーへの供給はほとんど無くなるはずですので、アードベッグをコレクションしたいのなら10年以内にはかき集める必要があるかも知れません。また、美味いアードベッグが欲しいのなら少々高額でも今のうちに買ったほうが間違いが少ないでしょう。
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2010年1月30日
【I】 ISLE OF ARRAN / アイル・オブ・アラン
アラン島I
【I】 ISLE OF ARRAN / アイル・オブ・アラン
●ウェブ・サイト・・・・http://www.arranwhisky.com/
●所在地・・・・・・・・Lochranza, Isle of Arran, Argyll
●創立・・・・・・・・・1991年(1995年)
●所有者・・・・・・・・Isle of Arran Distillers Ltd
●発酵槽・・・・・・・・オレゴン松×4基
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・イーサン・ビオラック川(Loch na Davieという記述もあり)
●ブレンド銘柄
ロバート・バーンズ
ロックランザ
創業当初は、上記ロックランザやグレンロサ、グレンイーサン、ロイヤル・アイランドなど、他の蒸留所の原酒を用いリリースされた経過がある。オープンから15年経過した現在は、ディスティラーのHP上の上記2銘柄については当然メインのブレンドがなされていると思われる。
ちなみにデータで創立を1991年としたのは「Misako Udo」著の「The Scotch Whisky Distilleries」にて「Established:On 11th November 1991」と確認した為。ま、良く考えれば納得することですが、会社として創立した年に蒸留所が建設され同年に蒸留開始とは当然考え難いですよね?つまり、多くの書籍で見られる創立1995年とは、あくまで蒸留開始、又は蒸留所がオープンした年ということでしょう。
【ティスティング No.121】
アイル・オブ・アラン 1995 3年物 60.3% 蒸留所詰め
First Production, Limited Edition
【色】
ゴールド。(チャート0.5~)
【香り】
香ばしい甘さのある麦芽、ニュー・スピリッツ、弱く溶剤、バニラ、シナモンやアニスの様なスパイス、ハニー、チーズの様な酸と花。トップの香りは若い原酒そのものだが、時間が経つにつれミドル・エイジ程度の複雑さを感じる。
【味、フィニッシュ】
麦わらの香ばしさとハニーなニュアンスで始まり、フローラルさを感じつつジンジャーの辛み。そして程良いタンニン分が支えて行く感じ。アフターは麦芽の甘みと花。酒精の高さのせいか切れは早いように思う。
【総評】
まず断っておくが、この度数に慣れないと上記のようなことは感じ得ないので、人によっては少々時間が必要なウイスキーかも知れない。
ま~しかし、「3年物で良くこんな複雑で美味しいウイスキーが作れたな~」と、まずは感心する。
いくら記念碑的ボトルとはゆえ、これでこそリミテッド・エディションといった所でしょう!!
無論、当時の(現在も)価格を考えるといささか疑問符も抱く所ですが、ウイスキーそのものについては、アランのポテンシャルを知る為の打って付けのアイテムだと思います。
現在の蒸留所詰めは10年を一応スタンダードとし、我が国だけでもかなり多種多様なスタイルのボトリングがなされているが、プライベート・ボトルの類や国別を考えたら一体何種類あるのか皆目見当が付かない。
ボトラー関係は無くはないものの、上記のことを考えると案外少ない部類。恐らくプライベート・ボトルとして蒸留所が詰めてることが原因だと思うが、ボトラーならではのアプローチも今後は期待したい所だ。
関係無いが、ウチの店とオープンが同年なので私も思い入れがある蒸留所の1つで、ミドルカットが少ないことに起因する綺麗な酒質がゆえ信頼も厚い。また、これからが熟成のピークになって行く時期なので益々注目の蒸留所と言えるでしょう。
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2010年1月29日
【I】 ISLE OF JURA / アイル・オブ・ジュラ
インナー・ヘブリディーズ諸島・ジュラ島I
【I】ISLE OF JURA / アイル・オブ・ジュラ
●ウェブ・サイト・・・・http://www.isleofjura.com/
●所在地・・・・・・・・Craighouse, Isle of Jura, Argyll
●創立・・・・・・・・・1810年(1963年)
●所有者・・・・・・・・United Breweries Group(Whyte and Mackay Ltd)
●発酵槽・・・・・・・・ステンレス×6基
●蒸留器・・・・・・・・初留×2基 再留×2基
●仕込み水・・・・・・・マーケット・ロッホ
●ブレンド銘柄
クルーニー
マッキンレーズ
ロイヤル・カリス
スコッツ・クラブ
スコッツ・グレイ
ホワイト・アンド・マッカイ
ロイヤル・カリス(Vintage Malt Whisky Co.)以外は同系列の会社よりリリース。歴史的に深い関わりを持つブレンデッドは無いようだが、マッキンレーズはアイル・オブ・ジュラと同型のボトルを使用しているので、メイン・モルトであること以外にも何らかの関わりがあるのかも知れない。
(創立について補足)
1810年に創立、1831年ライセンス取得、1901年解体、1960年に別会社がライセンス取得、1963年に現在の蒸留所がオープン稼働したということらしい。また、資料では1914年~63年がモスボール又はサイレントとされているので、1901年~14年の間は何らかの為に施設が使用されていたのかも知れない。ちなみに創業から1914年までの名前は「"Caol'nan Eilean (the original name)" "Craighouse (1831)" "Small Isles (1896)" "Lagg (1903?)" "Jura(1907?)"」などと呼ばれており、1907年前後のジュラにのみ現在の蒸留所との関連が伺えるが「アイル・オブ・ジュラ」という名前ではない。
【ティスティング No.120】
アイル・オブ・ジュラ 1992-1998 59% クライズデール詰め
【色】
白ワイン。(チャート0.1)
【香り】
麦わら、糖蜜、ニュー・スピリッツ、バニラ。若い原酒であることは明らか。泡盛のようなイメージも湧く。
【味、フィニッシュ】
香ばしい麦わらの味わい、ハニーっぽい甘み、アルコールの辛みと少々の苦み。香りで想像した単純な味わいで、最後に苦みと麦わら、ヒリヒリとしたスパイシーさが残る。アフターはショート・エイジにしては程良い長さがある。
【総評】
素の状態のアイル・オブ・ジュラ。樽由来の”渋み”と言うより、単純な”苦さ”を感じるボトルで、口に入れた瞬間は香ばしさと甘さでバランスするが、中程からフィニッシュにかけて苦さが誇張されて感じる。
しかし、若いウイスキーにありがちなニュー・スピリッツそのものの感じでは無いので、この苦さも決して悪いものでは無いが、酒精の強さを含め、ウイスキー初心者には辛い味わいかも知れません。
現在の蒸留所詰めのボトルは、10年、16年、21年、スーパー・スティション、リミテッド物各種と豊富にラインナップされており、ディスティラー・ボトルのみでも結構な愉しみ方が出来る。
ボトラー関係もかなり豊富にリリースされているようだが、20年を超える熟成のものは最近見かけなくなっているようです。
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2009年4月8日
【T】 TOBERMORY / トバモリー
インナー・ヘブリディーズ諸島・マル島T
【T】TOBERMORY / トバモリー
●ウェブ・サイト・・・・http://www.tobermorymalt.com/ http://www.burnstewartdistillers.com/
●所在地・・・・・・・・Tobermory, Isle of Mull
●創立・・・・・・・・・1798年
●所有者・・・・・・・・Burn Stewart Distillers Ltd.
●発酵槽・・・・・・・・オレゴン松×8基
●蒸留器・・・・・・・・初留×2基 再留×2基
●仕込み水・・・・・・・ミニッシュ湖とそばの小さな湖
●ブレンド銘柄
バークレイ
ブラック・プリンス
バーバリー
ジ・エグゼック
オールド・マル
ロバート・バーンズ
*ほとんどが親会社所有の銘柄だが、なぜか一番関係深そうなオールド・マルだけが他社(ホワイト&マッカイ)のブランドだ。
ま、マル島を名乗ってるウイスキーに、ブレンドされてないってことは無いだろうが、地名を名乗るブレンデッド・ウイスキーって、親会社次第でそのうち消えそうな気がしますね。
ちなみに、親会社のバーン・スチュワート社は、ディーンストン蒸留所、トバモリー蒸留所、ブナハーブン蒸留所を所有しており、ブレンデッドも多くの銘柄を手がけているので、上記ブレンデッド以外にもブレンドされている銘柄は以外に多いかも知れません。
【ティスティング No.119】
トバモリー No Age 40% 蒸留所詰め
90's Rotation
【色】
ゴールド。(チャート0.3~0.4)
【香り】
麦わら、注射液、ニュー・スピリッツ、バニラを伴う甘み。若い原酒である要素は多いが、甘い香りが強め。
【味、フィニッシュ】
複雑さは無いが、麦の香ばしさと強い甘みが特徴的で、香り程若さを感じない。無論、よくよく味わえば若さゆえの要素もあるが、意外に引っ掛かりのの無い喉越しを楽しめる。やがて、ほのかなタンニンが現われ、再び香ばしさと共にフィニッシュを迎える。アフターは長くは無いが、麦と樽の心地良い旨味が残る。
【総評】
今となっては珍しい、年数表記の無いトバモリー。正直香りを嗅いだ時点では、麦わら全開の素っ気ない味わいを予想したのだが、マイナス要因を打ち消すことの出来る「香ばしさと強めの甘み」を持ってるウイスキーで、良い意味で裏切られる1本。恐らくはヴァッティングの勝利といった所だろうが、これで香りが良かったら(隠れた)ヒット商品となる可能性大だと思う。
ま、裏切られたからこその意見かも知れませんが、香りと味わいのギャップは間違い無く楽しめるので、ショート・エイジの比較試飲する際には、存在感を示せられるかも知れません。
蒸留所詰めのラインナップは、つい最近まで10年のみだったが、15年、少量のリミテッド物もリリースされ、同蒸留所のピーテッド・モルトであるレダイグを入れれば、以前と較べたら格段に楽しみの幅が広がったと思います。
ボトラー関係は、以前からそれなりに面白い商品がリリースされていますが、人気が低いのか、割と動きも緩やかなので、探せば驚く様な物も眠ってるかも知れません。
ちなみに、親会社であるバーン・スチュワート社のHPを見ると、レダイグを冒頭のバナーにしているので、今後プッシュして行く可能性もあるかもです。
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2009年4月3日
【S】 SCAPA / スキャパ
オークニー諸島・メイン・ランド島S
【S】SCAPA / スキャパ
●ウェブ・サイト・・・・http://www.scapamalt.com/
●所在地・・・・・・・・St Ola, Kirkwall, Orkney
●創立・・・・・・・・・1885年
●所有者・・・・・・・・Allied Distillers Ltd.(Pernod Ricard S.A.)
●発酵槽・・・・・・・・ステンレス×6基
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・リングロ川と周辺の泉
●ブレンド銘柄
アンバサダー
バランタイン
*上記ブレンデッドはアライド・ディスティラーズ社系の銘柄なので、恐らく現在もブレンドされているでしょう。また、スキャパはバランタインの「魔法の7柱」の1つとしても有名。公表されてませんが同系列のオールド・スマグラーにもブレンドされている可能性はあると思います。
【ティスティング No.118】
スキャパ 12年熟成 40% 蒸留所詰め
00's Rotation
【色】
濃いゴールド(チャート0.5~0.6)
【香り】
バニラ、シリアル、洋なしのリキュール、蜂蜜、アニス。少々フルーティ(パイナップル?)な酸も感じ、この手のウイスキーにしては香り高い。
【味、フィニッシュ】
麦わら、シリアル、バニラ、僅かにタンニン。塩を少し感じるが、甘さは程々。香ばしさと共にややスパイシーなイメージで切れ上がる。アフターは差程長くはない。
【総評】
香りはローモンド・スティル使用原酒だけあり、ねっとりとした物を予感させるが、味わいは案外素っ気ないもので、我々がトキメク様な「コレ」っていうものは残念ながら無い。
しかし、2000年以降リリースされたスタンダード・クラスのウイスキーにしては面白みがあると思うので、他銘柄や同蒸留所の比較試飲などには面白い存在だと思われる。
現在リリースされているものは14年物+α位で、蒸留所詰めのバリエーションは少ないが、色々なボトラーから多種多様にリリースされているので、比較するには困らないでしょう。ただ、30年前後のロング・エイジをまず見かけないので、驚くようなビッグ・スキャパに出合うことは少ないかも知れません。
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2008年8月23日
【H】 HIGHLAND PARK / ハイランド・パーク
オークニー諸島・メイン・ランド島H
【H】HIGHLAND PARK / ハイランド・パーク
●ウェブ・サイト・・・・http://www.highlandpark.co.uk/
●所在地・・・・・・・・Kirkwall, Orkney
●創立・・・・・・・・・1795年(ライセンス取得は1825年)
●所有者・・・・・・・・Highland Distillers Ltd
●発酵槽・・・・・・・・オレゴン松×10基 シベリア産カラ松×2基
●蒸留器・・・・・・・・初留×2基 再留×2基
●仕込み水・・・・・・・Crantit Spring(大全には「Cattie Maggie Spring」と、なっているが、現在は左記の水源を使用しているようだ。)
●ブレンド銘柄
フェイマス・グラウス
カティサーク
ザ・マッカンガス12年
ロイヤル・カリス
*フェイマス、カティは系列ブレンデッドなので納得が行くラインナップ。
マッカンガスは再三書いているようにシーバス・リーガルの採用されなかったレシピのウイスキーですが、12年物にはハイランド・パーク等の原酒が使用されているとブレンデッド大全には書いてある。シーバスのマスター・ブレンダーの父親がハイランド・パークの工場長だったこととは恐らく関係無いでしょうね。
ロイヤル・カリスは現在ボトラーとして馴染みのあるヴィンテージ・モルト・ウイスキー・カンパニーのブレンデッド・ウイスキーですから、同社所有、または関係各社の原酒を生かした商品と言えそうです。ボトラー関係への供給が難しくなってきた現在は、消え行く銘柄とも言えるかも?
あと、余り記載されることは無いですが、現在ロングジョンの原酒の1つという紹介も結構見かけたりします。ロングジョンはアライド・ドメック買収(2005年)に伴い、ペルノ・リカールの商標となっているはずですが、オフィシャル・サイトでは影も形もありません。日本では今もサントリーさんが取り扱っているので間違いは無いと思いますが、恐らくバランタインやシーバス・リーガルというビッグ・ネームの影響で、すっかり日陰者といった所でしょうか?ハイランド・パークとの関係は定かではありませんが、自社の原酒ではロングジョンまで供給出来ないということでしょうかね~?
【ティスティング No.117】
ハイランド・パーク 12年熟成 43% 蒸留所詰め
For Italy, 70's Rotation
【色】
透明感のある黄褐色(チャート1.3~1.4)
【香り】
オールド物に見られるシェリー系のひねた香り、ワックス、煙、レザー、蜂蜜、麦芽。現在のものと比較すれば相当に重厚な香りだと言える。
【味、フィニッシュ】
長熟アモンティリャードのような風格とスモーク。バニラの甘さとしっかり目のタンニンが骨格を作り、奥行きのある味わいを演出している。アフターは43%にしては異常に長く非常に満足感がある。最後に煙と、ややケミカル感のある甘みが残る。
【総評】
やっぱ、このボトルは何時飲んでも美味いっす!!言うこと無し!!マイナス要因もあることはありますが、補って余る素晴らしい味わいは脱帽物です。勿論12年熟成なのでビッグな味わいとまでは言いませんが、バランス感覚に優れた秀逸なウイスキーであることは間違いありません。
ハイランドパークはご存知の通り多様な銘柄があり、スタンダードな物からヴィンテージ物のような特別な物まで、期待を裏切らない信頼の厚いブランドなので、熱狂的なファンが居ることも頷けると思います。
近年、ややドライになって来た傾向を感じてはいますが、他蒸留所の同価格帯の物と比べれば、やはりハイランド・パークへの信頼は揺るがないと思ってます。また、そうあって欲しいと、1人のファンとしても願うばかりです。
ボトラー関係も非常に数多く出回っており、ショート・エイジから40年熟成位まで、味わいの幅も広~く楽しめますし、購入しやすい価格帯であることからも、ストックされている原酒の豊富さが伺えますね。
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2008年7月18日
【T】 TULLIBARDINE / タリバーディン
ハイランド地区T
【T】 TULLIBARDINE / タリバーディン
●ウェブ・サイト・・・・http://www.tullibardine.com/
●所在地・・・・・・・・Blackford, Perthshire
●創立・・・・・・・・・1947年
●所有者・・・・・・・・Tullibardine Ltd.
●発酵槽・・・・・・・・ステンレス×6基(以前は大全の通り8基)
●蒸留器・・・・・・・・初留×2基 再留×2基
●仕込み水・・・・・・・ダニー川
●ブレンド銘柄
スコッツ・グレイ
グレンフォイル
*2003年に見事に大手(Whyte & Mackay)より独立し1本立ちした蒸留所で、上記ブレンデッドに供給されているかは現在は不明。
1本目のスコッツ・グレイは、1979年以降タリバーディンを中核としているだけに今も供給の可能性はあるかも知れない。
2本目のグレンフォイルと言うロスト・ディスティラーに肖った名前を持つ銘柄は、調べた所、ブレンデッドとシングル・モルト両方にその名前があることが分かった。しかし現在はブレンデッドの方の製造はされていないようなので、当然独立を果たしたタリバーディンとは関連性が更に薄くなったと言えるでしょう。
現在、オフィシャル・ホーム・ページを見ると、ジョン・ブラックと言うブレンデッド・モルト・ウイスキーと、スコットランド最古のエール醸造所(12世紀)の跡に建設された経緯もあり、スコットランド王ジェームズ4世の戴冠式に供されたと言われる年の1488と銘打ったエール各種、タリバーディンを使用したクリーム・リキュールなども製造している。ちなみに蒸留所のショップの名前もCAFE1488と銘打ってあり、創業した年号だと思い込んでしまう人も居るかも知れません。
跡地に建設されただけであり、全く関係無いのに紛らわしいと見るか、独立を果たした上での営業努力と見るか、はたまた、ブラックフォードの伝統を復活させたと見るかは人によってマチマチでしょう。
【ティスティング No.116】
タリバーディン 24年熟成 1965-1989 46% ケイデンヘッド詰め
Black Dumpy
【色】
濃いゴールド(チャート0.8~0.9)
【香り】
ワックス、レザー、シナモン、バニラ、イチゴ・ジャム、バナナ。大まかには、手入れをしたレザーのような香りと、火を入れたイチゴのような特徴を持った香りだ。
【味、フィニッシュ】
やや古い木材のようなタンニンが優勢だが、レザーやバニラの特徴を持った甘みとバナナのような味わいがバランスを保っている感じ。余韻は46%にしては長めでレザーの雰囲気が残る。
【総評】
まず時代物のケイデンヘッドなので期待も膨らむと思いますが、香りの一端にあるジャムのニュアンスに好感を持った程度で、驚くようなビッグなモルトでは無いことを断っておきます。
味わいについては昨日のトマーチンと差して代わり映えしなかったが、やや今回の方が柔らかい感じはした。しかし、味わいの変化は少ないものの、絶妙なバランスを持ったウイスキーでスルスルと飲めてしまう。テイスティングで直ぐ飲んでしまうことは少ないのですが「ん~、これはヤバイっす!」ドランカーは注意が必要です(笑)。
独立後のリリースは1965、1966等の古いヴィンテージ物を筆頭に、70年代、80年代、90年代と、まんべんなくヴィンテージ表記物のリリースが現在も続いている。
日本へも勿論輸入されているが、差程メジャーでも無いのに80年代以前の物になるとグンと価格が上がるので、少し取っ付き難かったりする。ま、カスク物で10年程度の熟成してたら1万円するご時世ですから当たり前と言えば当たり前ですかね・・。
私の場合、余程のことが無い限り熟成1年につき千円を超えない物を買おうと決めているので、最近買えない物がたま~にあるんですよね~。ま、色んな要素で価格が上がっているのは理解してますが・・・、いや、ま、世知辛い話しですな~(苦笑)。
ま、それはさておき、ボトラー関係ではほとんどリリースは無く、老舗ボトラーから少量のみリリースがある。また、旧オーナーからのオフィシャル・ボトルもまだまだ在庫が有りそうなので、タリバーディンを極めようとする端っこ好きな方は是非探してみて下さい。
*今回でハイランド地区終了しました。次回はオークニーから順にアイランド巡りと行きます。ではまた!!
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2008年7月17日
【T】 TOMATIN / トマーチン
ハイランド地区T
【T】TOMATIN / トマーチン
●ウェブ・サイト・・・・http://www.tomatin.com/
●所在地・・・・・・・・Tomatin, Inverness-shire
●創立・・・・・・・・・1897年
●所有者・・・・・・・・Takara Shuzo and Okura & Co Ltd.
●発酵槽・・・・・・・・ステンレス×10基(12基との記載もある)
●蒸留器・・・・・・・・初留×6基 再留×6基(大全では12×11)
●仕込み水・・・・・・・オルタ・ナ・フリス川
●ブレンド銘柄
アンティクァリー
トマーチン(ビッグ・ティー)
ザ・タリスマン
シンジケート 58/6
*シンジケート以外は全て「The Tomatin Distillery Co Ltd」が製造しているブレンデッド・ウイスキー。オフィシャル・ホーム・ページ(以下HP)を見た限りでは、現在トマーチン(ビッグ・ティー)ブランドは製造して無いようだった。ま、国分と同じブランド名を扱う訳には行かないだろうが、宝酒造のHPにはアンティクァリーしか扱いが無い(説明文一つありません)。
ウイスキー蒸留施設の閉鎖(2003年)もそうだが、恐らく宝酒造の部分的な撤退、縮小、効率化があったと私は見ている。つまり、オーナーとして名前はあるが実際は別の会社として機能している訳だ。
ま、あくまで私の想像ではあるが、こういった背景でも無い限り国分でシングル・モルト・ウイスキーを大々的に扱える訳は無いと思う(宝酒造と何か関係があるのかな?)。また、最近はボトラーでも良く見かけるようになりましたよね。
これはそろそろ「蒸留所を売りに出したりすることも可能性としてはあるんじゃないか!!」とも思うんだが、考え過ぎだろうか!?
あと上記以外に関連があるブランドとしてオールド・セント・アンドリュースと言うブランドがあるが、宝酒造が買収する前年に所有していた株式を手放しているので、80年代まではブレンドされてる可能性はあるだろうが、現在のウイスキーには全く関連性は無いだろう。
【ティスティング No.115】
ザ・ロンバート・コレクション No.79(トマーチン)1965 46% ロンバート詰め
(多分)For USA , 80's Rotation
【色】
琥珀色(チャート0.7~0.8)
【香り】
ワックス、古い木材、熟したバナナ、シナモン系スパイス、カスタードのような甘い香りも感じる。
【味、フィニッシュ】
ジンジャーのようなスパイシーさと古い木材。香りに感じたフルーティさは影を潜め、タンニンとバニラの甘さのバランスが長く長く続く。
【総評】
このボトルは情報が少なかったので確証は無いが、外箱やラベルから判断するに恐らく20~25年辺りの熟成期間で、80年代後半~90年前後にリリースされた物だと思われる。
スコットランド最大の蒸留所として拡張されて行く60年代ど真ん中に蒸留されただけあり、曇りの少ないシャープなスタイルを持ったウイスキーで、当時の樽のポテンシャルを遺憾なく発揮していると思われる。
ただ惜しむらくはカスク・ストレングスでは無かったことで、人によっては線がぼけたような印象を持つのではないだろうか?と思うが、高レベルな樽出しウイスキーを知らなければ十分美味しいウイスキーかも知れません。
私などは、度数がどんなに高かろうが「ギュッッ!」と美味しさが詰まった状態が大好物なので、こういう感想が出てしまうのは仕方ないと言うことでしょうね。
現在のリリースは旧ラベルの10年、現行ラベルの12、18、25、30、各種ヴィンテージと、オフィシャルとして日本に輸入されてるだけでも多彩なラインナップ。更に、オフィシャル・ホーム・ページには40年熟成などもあり、「トマーチンここに極まった!」との印象があります。
また、ボトラーにしても多彩なリリースがあり、ダンカンテイラーの40年オーバーを筆頭に、10年以下の熟成物などもあるので、楽しみの幅はとても広いと思います。
ここ数年、シングル・モルトのムーブメントのおかげか、10年前では考えられないような状況になっているトマーチン蒸留所。はたして今後の運命は如何に!?
ちなみに、本によってはスペイサイドに区分されることがあることも書いておきます。
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2008年7月16日
【T】 TEANINICH / ティーニニック
ハイランド地区T
【T】TEANINICH / ティーニニック
●ウェブ・サイト・・・・http://www.malts.com/
●所在地・・・・・・・・Alness, Ross-shire
●創立・・・・・・・・・1817年
●所有者・・・・・・・・Diageo Moet Hennessy (旧UDV社)
●発酵槽・・・・・・・・ステンレス×8基
●蒸留器・・・・・・・・初留×5基 再留×5基(大全では5×5だが、現在資料の多くは3×3となっている)
●仕込み水・・・・・・・デイリーウェルの泉
●ブレンド銘柄
ジョニー・ウォーカー
ロビー・バーンズ
ヘイグ
ヴァット69 など
*特に縁のあるブレンデッドは上記に無さそうだが、規模の大きさとリリースの度合いを考えると、結構多くのディアジオ系ブレンデッド・ウイスキーに使用されているのだろう。ロビー・バーンズ(Diageo)という銘柄は輸入されて無いようだが、ロバート・バーンズ(Arran Distillery)の銘柄と混同しやすいので注意。
【ティスティング No.114】
ティーニニック 18年熟成 1975-1994 62.6% キングスバリー詰め
Kind of Cask : Ork(ex-Bourbon) Cask No : 94/56/1
【色】
薄いゴールド(チャート0.3~0.4)
【香り】
バニラ、セメダイン、煮豆。蜂蜜と薄っすらとマンゴーのようなフルーティさも感じるが、いささか刺激が強い。多少慣れると香ばしさもあり良好な酒質であることも分かる。
【味、フィニッシュ】
刺激は無論あるが、酸を帯びたミルキーな甘さが心地良い。干し草のニュアンスと煎った豆のような香ばしさを感じつつ、程なくタンニンが現われ全体を締める。余韻は長く、甘さと苦みのバランスが良い。
【総評】
度数が高いので、初心者には辛いウイスキーだと感じるかも知れないが、色合いからは想像出来ない実に濃い味わいを持ってる1本。
味わいのファクターは多く無いが、嫌みの因子は非常に少ないタイプで、仮に50度台の度数でこの味わいなら90%位の確率で「美味い」と、言わせられると思います。
過去私が経験しているティーニニックは、ほとんどはバランスが良く、カスタマーを選ばない優秀なウイスキーのイメージがあるが、記憶にとどめるようなビッグな物にはまだ出会って無い。ノン・ピートであることも要因の1つかも知れないが、バランスの良さも時として仇になると言うことかも知れません。
現在オーナーからのリリースは92年からリリースされている花と動物シリーズとレア・モルト・セレクション数種。ボトラーからはG&Mを除きやや単発と言った所なので、出回る数は少ない部類でしょう。また、92年以前は老舗ボトラー以外ではほとんど見かけなかった銘柄の1つです。
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2008年5月27日
【JP】 HANYU / 羽生 #2
リクエストNo.18
【JP】 HANYU / 羽生 #2
●蒸留所の情報はティスティングNo.76に準じます。
【ティスティング No.113】
HANYU DISTILLERY 1988-2007 55.6% NUMBER ONE DRINKS COMPANY
Cask No.#9501
Number of Bottles 352bts
Cask type:Bourbon hogshead. finished in japanese oak
【色】
濃いゴールド~クリアーな銅色(チャート0.9~1.1)
【香り】
溶剤、オーク、レザー、バニラ、塩気のあるチョコレートと煙が特徴的で、レモンの皮のような香りも感じる。ジャパニーズ・オーク(ミズナラ)のニュアンスも無論あるが、いわゆる線香のような香りは強く感じないので、ピート臭がスポイルしていると考えられるかも?
【味、フィニッシュ】
重たさは余り無くバランスの良い甘さと苦みが心地良い。ほぼ香りのニュアンスと同義で、レザー、バニラ、煙などが続く。若干ドライ目に切れ上がるが、アフターはそこそこ長く、バニラの甘さとタールのニュアンスを残す。
【総評】
今回のボトルはヨーロッパ向けのイチローズ・モルトと言うべきウイスキーで、昨年末にベンチャー・ウイスキーさんからダイレクト・メール貰ってる方ならご存知だと思いますが、「MALT MANIACS AWARDS 2007」の「Supreme Warped Cask Award」にてナンバー・ワンに輝いたボトル。
大まかに言うと、バランスが良く、煙を特徴とした美味しいウイスキーだと言えると思います。また、実際は違いがあるでしょうけど、キング・オブ・ダイアモンドを思い出させる・・、または似てるんじゃないかと思わなくもないです(比べてはいません)。もしくはファースト・ボトルの発展系かな~・・?
発売元のナンバー・ワン・ドリンクス・カンパニー(http://www.onedrinks.co.uk/)にもデイブ・ブルーム氏によるテイスティング・ノートがあるので是非見て欲しいのですけど、最後のコメントに「日本風」という言葉がある通り、外国人から見たジャパニーズ・シングル・モルト・ウイスキーならではの特徴を表現しているボトルの1つだと言えるでしょう。
ちなみに「NUMBER ONE DRINKS COMPANY」はMARCIN MILLER氏(ウイスキー・マガジン)とDAVID CROLL氏(ウイスク・イー)がディレクターを行っている会社で、現在は羽生蒸留所と軽井沢蒸留所の原酒を主にヨーロッパ方面へ紹介しているようです。
*今回は某インポーターさんから「感想を・・」との依頼があったので、どうせならウスケバにアップしようと思い、「リクエストNo.18」としてテイスティングしました。
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2008年4月24日
【S】 SPEYSIDE / スペイサイド
ハイランド地区S
【S】SPEYSIDE / スペイサイド
●ウェブ・サイト・・・・http://www.speyside.com/ http://www.speysidedistillery.co.uk/
●所在地・・・・・・・・Glen Tromie, Kingussie, Inverness-shire
●創立・・・・・・・・・1895年(Sir George MacPherson Grant & George)現在の蒸留所は1990年
●所有者・・・・・・・・Speyside Distillery.co
●発酵槽・・・・・・・・ステンレス×4基
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・ガイック鹿保護区内の泉(River Tromieと表記されることもあります)
●ブレンド銘柄
スペイサイド
*少なくとも発売当初のスペイサイド・ブレンデッドにはブレンドされて無かったと思いますが、現在の物には当然ブレンドされているはずです。比較的新しい蒸留所なので以前はラインナップも少なかったが、現在は以下のように多種多様なラインナップをリリースしている。また、こちらのブログに来ている方ならスコッツ・セレクションやプライベート・セラー・シリーズのシングル・モルトをリリースしている会社としての認知があるかも知れませんね。
Speyside Distillery Blended List
Best Seller
Black Fox
Glenross
Great Scots
Highlander
King's Crest
Kings Scotch
MacGavin's
Murdoch's Perfection
Old Monarch
Scotch Guard
Scottish Prince
Speyside
The Dirk
*興味があれば2つ目のウェブ・サイトに詳しく記載されています。
【ティスティング No.112】
ドラムーイッシュ(ドラムグイッシュ) No Age 40% 蒸留所詰め
90's Rotation
【色】
薄いゴールド。(チャート0.2~0.3)
【香り】
ニュー・ポット、麦芽、ハーブ、遠くに蜂蜜とクリーミーな甘さをソフトに感じる。
【味、フィニッシュ】
軽くローストしたナッツ、干し草、バニラ系の甘さ、やんわりと煙。申し訳なさそうにタンニンが現れ、香ばしいナッツのニュアンスがフィニッシュまで続く。アフターは長くは無いが、気持ちの良いクリーミーさが残る。
【総評】
「Drumguish」は5年程度の若いモルト・ウイスキーと言われるだけあり流石に複雑さも特別な味わいも無いけれど、ナチュラルな美味しさを持つ秀逸なウイスキーだと今回は感じた。残念なことに現在生産されて無いようだが、行き付けのバーで見かけたら是非1杯目に飲んで欲しい。きっと2杯目以降のバロメーターとして活きてくるウイスキーだと思います。
現在はドラムーイッシュ表記のものは製造を中止し、スペイサイド表記のシングル・モルトへ完全にシフトしていて、私は飲んで無いので比較もクソもないのですが、熟成が伸びた分恐らくはそのポテンシャルを発揮しているのではないかと察します。
ま、そうそうスペイサイド蒸留所に思い入れある方は居ないと思いますが、ボトラー関係も無くはないものの極限られていますので、ラインナップを増やしたいと思うのであれば即ゲットでしょうね。
ちなみに、創立1895年とした同名の蒸留所のオマージュは今回のドラムーイッシュと言う名前などで分かる所ですが、実際は別の蒸留所と考えた方が良いとは思います。それと、スペイサイドと言う名前の蒸留所なのにハイランド産となっているのは、多くの資料でそう表記してるからであり、名前からでしょうけど、スペイサイド産と表記している所があることも一応書いておきます。
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2008年4月23日
【R】 ROYAL LOCHNAGAR
ハイランド地区R
【R】ROYAL LOCHNAGAR / ロイヤル・ロッホナガー
●ウェブ・サイト・・・・http://www.malts.com/ http://www.singlemalt.jp/
●所在地・・・・・・・・Crathie, Ballater, Aberdeenshire
●創立・・・・・・・・・1826年(James Robertson)現在の場所では1845年(Jonn Begg)
●所有者・・・・・・・・Diageo Moet Hennessy (旧UDV社)
●発酵槽・・・・・・・・カラ松×3基
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・ロッホナガー山麓の湧き水
●ブレンド銘柄
ヴァット69
ジョニー・ウォーカー
ブラック・ラベル
ゴールド・ラベル
ブルー・ラベル
ジョン・ベグ など
*現在はほぼヴァット69とジョニー・ウォーカーの原酒として使用されていることはどの書籍においても書かれてあるのでご存知な方も多いと思います。しかし、こちらのブログを見ている方ならご存知の通り、上記の銘柄の中で一番縁が深いのは現在生産されているか定かでは無い(アメリカ向けがあるかも知れない)ジョン・ベグ(John Begg)という銘柄で、1845年に現在の場所へ蒸留所を建設した、資産家ジョン・ベグ自らの名前を過去モルト・ウイスキーにも付けていたことからもその縁の深さが理解出来ると思います。時折オークションなどで見かけるので買い求めるのも良いとは思いますが、ここ10年以内に出回ったアメリカ向けの物は、従来の重厚さは残ってないと言われているので気を付けましょう。
【ティスティング No.111】
ロイヤル・ロッホナガー・セレクテッド・リザーブ No Age 43% 蒸留所詰め
90's Rotation
【色】
透明度のあるマホガニー。(チャート1.5~)大抵「Amber red」と表現されることが多い。
【香り】
焦げたグラニュー糖、レーズン、ワックス、シナモンやアニスのようなスパイス、ゴム、ナッツ、焼きリンゴの様なフルーティさと煙。シェリー樽メインのヴァッティングだと直ぐに理解が出来る。香りの層が厚くリッチな香り。
【味、フィニッシュ】
ジンジャー、シナモン、クローブ、アニスのスパイシーさとクリーム&レーズンのような甘さ。やがてゴムのニュアンスと煙、タンニンを感じつつフィニッシュを迎える。アフターは当然長くクリーミーさとレーズンが喉の奥に鎮座する。
【総評】
香りは流石に複雑だが少々面白みに欠ける味わい。また、シェリー樽由来の香気に満ちているが、本来の良い部分をスポイルしているとも言えるし、それだけに「負」の部分が出ているとも言えるでしょう。
リッチなウイスキーだと思うし美味しいとも思うのだが、個性が飛び抜けている訳では無いし、正直味わいが単調な感じがして、私などは飲んでる間に飽きてしまいそうになる。ま、ある方面から見ればバランスが取れていると言えなくもないとは思うが、UD時代最高額を誇るウイスキーとしての私の評価は低い。
決して不味いという訳では無いので誤解して欲しくはないが、価格と味わいのバランスを踏まえると、こういう類のウイスキーは扱いが難しく使用頻度が非常に少ない。当然、私からお客様へ勧めたことは過去1度も無いですし、これからも無いと思います。
飲むタイミングとしては、スタンダードから3ステップ目辺りに飲むのが恐らくベターで、きっと「美味い~!」と、感涙しそうですが(笑)、現在のように多種多様に流通している時代だと低価格でも面白い物が豊富にあるので、微妙な位置にあるセレクテッド・リザーブは精々一度飲めばそれっきりと言うこともあるでしょう。ま・・しかし、人の思うことはそれぞれですので、ラヴァーの皆さんも思い出した時にでも飲んであげて下さいませ。
現在オフィシャル・ボトルとしては、12年、今回のセレクテッド・リザーブ、レア・モルト・セレクションの23年、30年が入手可能(今買おうとするなら間違い無くレア・モルト・セレクションです)。ボトラー関係は昔から数が少なく単発なので、ロッホナガー・ファンなら見かけたら即ゲットをお勧めします(動きが速い訳ではありませんけどね)。
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2008年4月22日
【R】 ROYAL BRACKLA / ロイヤル・ブラックラ
ハイランド地区R
【R】ROYAL BRACKLA / ロイヤル・ブラックラ
●ウェブ・サイト・・・・http://www.dewarswow.com/
●所在地・・・・・・・・Cawdor, Nairn, Nairnshire
●創立・・・・・・・・・1812年
●所有者・・・・・・・・John Dewar & Sons Ltd(Bacardi Ltd.)
●発酵槽・・・・・・・・カラ松×6基
●蒸留器・・・・・・・・初留×2基 再留×2基
●仕込み水・・・・・・・コーダー川
●ブレンド銘柄
ザ・マッカンガス
ビセッツ・ファイネスト・オールド
ビセッツ・ゴールド・ラベル
ジョニー・ウォーカー・ゴールド・ラベル
デュワーズ・ホワイト・ラベル
*アンドリュー・アッシャーにて考案されたブレンデッドにロイヤル・ブラックラが使用されたことは有名(?)な話だが、現在の所で確認出来るのは上記の銘柄。
ザ・マッカンガスは、日本市場をターゲットにした売り口上の多い(笑)ブレンデッド・ウイスキーで、ロイヤル・ブラックラもメイン・モルトとして挙げられているが、関連は今一つ定かでは無い。想像を働かせれば、メイン・モルトとして結構な大物や、少なくとも4社にまたがる原酒が入っているので、それだけ業界に精通している企業ということも考えられるだろう。興味があれば社名から追っかけてみれば面白いことが分かるかも知れない。
ビセッツの2種は、1926年にビセット社(ブレンド会社)により買収されているので当然メイン扱いのブレンドが為されていたと思う。海外のオークションで60年代後半の物を確認出来たので1943年のDCL参入後も生産されていたのは間違い無いだろうが、現在生産されているかは確認出来なかった。
ジョニー・ウォーカー・ゴールド・ラベルにブレンドされ始めたのは当然発売になった1990年だろうが、バカルディ社の手に渡った現在はブレンド自体微妙だし、ブレンドされているとしても公表することは無いと思われる。案外熟成が伸びた現在のボトルにはブレンドされて無いかも知れませんね。
デュワーズ・ホワイト・ラベルは蒸留所に看板掲げてる位だから間違い無くブレンド確定でしょう!・・って言うか、現在のロイヤル・ブラックラはデュワーズの為の原酒と言っても差し支え無いんじゃないでしょうか?近年10年物のオフィシャル・シングル・モルトが同社よりリリースされたのも記憶に新しいです。
【ティスティング No.110】
ロイヤル・ブラックラ 17年熟成1979ー1996 59% ザ・ヴィンテージ・モルト・ウイスキー詰め
The Cooper's Choice
【色】
白ワイン~薄いゴールド。(チャート0.1~0.2)
【香り】
ニュー・ポット、セメダイン、蜂蜜、干した蜜柑の皮、少々の藁とバイオレット系の花。アルコールの刺激がやや強い。
【味、フィニッシュ】
麦芽の甘さとバニラ。そして嫌みのない藁へ移行する。軽めのタンニンからフィニッシュにかけてフローラルさを感じる。アフターは割と短くさっぱりとしたイメージ。
【総評】
割と評価の高いザ・ヴィンテージ・モルト・ウイスキー社詰め初期物の1本。
見た目よりはドライ過ぎず優等生的モルト・ウイスキー。しかし、綺麗でベーシックな酒質ゆえ印象には残り辛いだろう。既に詰められて12年の月日が経過しているが、良いのか悪いのかパワフルな印象はこれっぽっちも変わってませんでした。ん~・・、美味しいのだが特筆することが少ない。ま、リベットのナデューラ辺りが好きならこれもOKと言った所かな~。
ロイヤル・ブラックラは希に「お!来た!!」って言うのに当たりはするものの、多くはこのボトルのように優等生的な印象が強い。私は10年以内の短い熟成のものは飲んだことが有りませんが、短期の物は余程のことが無い限り印象に残ることは無いでしょう。経験上25~30年熟成位が当たる確率高いと思ってます。
現在のボトリングは、上に書いているようにオーナー詰めの物も流通してますが、日本では見かけ辛く殆どがボトラー詰めの物ばかり。もしくは前オーナー詰めの花と動物シリーズなどがバー関係では飲めるのではないでしょうか?
また、ロイヤル・ブラックラで忘れられない事柄としては、1926年ヴィンテージの60年物という、驚愕の熟成年数のものが過去リリースされたこともありましたね。まだ国内で売ってる所があるので富豪の方は是非どうぞ(笑)。
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2008年2月20日
【P】 PULTENEY / プルトニー
ハイランド地区P
【P】 PULTENEY / プルトニー
●ウェブ・サイト・・・・http://www.oldpulteney.com/
●所在地・・・・・・・・Wick, Caithness.
●創立・・・・・・・・・1826年
●所有者・・・・・・・・Inver House Distillers Ltd.
●発酵槽・・・・・・・・鉄×6基(内部はステンレスらしい)
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・ヤーロー湖(他にLoch of Hempriggsとの説明の場合もあるが、現在そちらはクーリング・ウォーターとしての使用らしい)
●ブレンド銘柄
バランタイン
インバー・ハウス
ザ・マッカンガス
タプローズ
*ブレンデッドに関しては、現在オーナーであるインバー・ハウス系の物に当然多くブレンドされており、上記インバー・ハウスを始め、「Catton's、Hankey Bannister、MacArther's、Pinwinnie Royal」などへ供給されているとのこと。よってバランタインへのブレンドは疑問を持つ所だが、かつて魔法の7本柱と呼ばれた銘柄だけに、突然供給ストップという訳には行かないだろう。
ザ・マッカンガスは、20世紀初頭バランタイン社を所有していた当時のオーナーが、のちにシーバス・リーガルの新しいブランドを試作した際に採用されなかったブレンドを復活したウイスキーだと言われている。当然バランタインへのオマージュも考えられるのでプルトニーがその一端を担うのも頷ける所だ。
タプローズに関してはハッキリとした関連が分からないが、タプローズ社自体が18世紀半ばに創業したワインやスピリッツを扱う歴史ある会社なので、酒類関連の人脈を活かしたブレンドということだろうと思う。しかし、現在バーン・スチュワート社が製造となっており、リンクウッド、マッカラン、ザ・グレンリベット、カリラ、ポート・エレンなど、割と豪華な主要モルトの一つとして紹介してあるのは少し解せない気がする。
【ティスティング No.109】
52.8(オールド・プルトニー)25年熟成 1971-1996 58.4% S・M・W・S詰め
【色】
琥珀色。(チャート0.7~0.8)
【香り】
古樽、セメダイン、蜂蜜、パパイヤ系フルーツ、バニラ、少し煙。コメント書く気にならない程良い香り!!ん~、たまらんね~!!
【味、フィニッシュ】
ほど良い麦芽の甘さと強いバニラ。ややドライな性格だが、注意深く探って行くと桃やバナナのようなフルーティさが交差して行くのが分かる。タンニンは長い熟成からすればアクセント程度のもので、余韻は長く、バニラとフルーツ・タルトのようなイメージが湧く。
【総評】
香りだけで小一時間は楽しめそうな1本。ウイスキー・ラヴァーならしばらくはニヤニヤすることでしょう(笑)。
しかし、恐らく熟成の長さとボトリングから十年以上という歳月に起因するのだと思いますが、香りは素晴らしいものの若干味わいの主張が弱いので、ウイスキー初心者には少し分かり辛さもあるかも知れません。
勿論!!このブログを読んでいる皆様のような方には十分過ぎる程の至福を与えられるウイスキーだとは思いますが、数杯重ねた後に飲むタイプでは無いことだけは書いておきます。
現在のボトリングはオフィシャルから12、17、21年、リミテッド物も数種類リリースされているし、ボトラー物も数多く存在しているので、結構楽しめる銘柄だと思われます。また、嫌う人もまず居ないので勧めやすい銘柄とも言えるでしょう。
以前はオフィシャル・リリースが無かったので、私などはG&Mの15年辺りがプルトニーのベーシックになってますが、現在の12年でもそれなりの味わいはあるので、初心者から抜け出す位には打ってつけの銘柄かも知れません。
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2008年2月19日
【O】 OBAN / オーバン
ハイランド地区O
【O】 OBAN / オーバン
●ウェブ・サイト・・・・http://www.malts.com/ http://www.singlemalt.jp/
●所在地・・・・・・・・Oban, Argyllshire
●創立・・・・・・・・・1794年
●所有者・・・・・・・・Diageo Moet Hennessy (旧UDV社)
●発酵槽・・・・・・・・カラ松×2基 オレゴン松×2基
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・グレネベリー湖(掲載時期によって違い有り)
●ブレンド銘柄
オールド・マル
デュワーズ
*ブレンド銘柄として上記は公になっているが、どちらも系列会社では無い為現在ブレンドされているかは微妙。デュワーズは一時期UD社系だったのでまだ納得しようもあるが、オールド・マルはホワイト&マッカイ系なので可能性は更に薄い。憶測だが、数年前から原酒不足だと言われ続けられている銘柄だけに、ブレンドに回されている絶対量は以前より少なくなっているように考えられる。
【ティスティング No.108】
オーバン 14年熟成 43% 蒸留所詰め
90's Rotation
【色】
濃い目のゴールド(チャート0.7~0.8)
【香り】
蜂蜜、ジンジャー、麦芽、煙。ややヨーロピアン・オークを感じる。
【味、フィニッシュ】
バニラと蜂蜜から麦芽っぽさへ移行。ジンジャー、クローブなどのスパイス、煙たくない煙と、ほど良いタンニン。フィニッシュはミディアム・クラスで、再度バニラを感じるスムースな終わり方だ。
【総評】
西ハイランド地区の生き残りは、とてもボディ・バランスの取れたナイス・ミドル的1本(笑)。お客様に「オーバンが好きなんです。」なんて言われると「お!良い趣味してるな!!」などと思ってしまうのは私だけだろうか?
今回は相当久しぶりのテイスティングながら、思っていた通りの味わいで特に書くこと無くて困るって所でしたが、しかし、この思ってた通りっていうのが凄いと言えば凄いことで、薄っぺらになりがちな昨今のスタンダード的なボトルが、変わらぬ表情を見せてくれる。これほど嬉しいことは無いと思います。
残念ながら、オーバンも原酒不足による価格の上昇がラガヴーリン程では無かったもののここ数年起こっているし、ボトラー詰めも極端に少ない為、楽しみの幅が非常に狭い。オーナーからの長熟物のリリースは少量あるが、一般の方はおろか私らでもおいそれと手が出る価格では無いので、もう一つメジャー路線へは乗り難いのだろう。
ま、根強いファンが居るだけに、もう少し展開に期待したい銘柄ですね~!!
ちなみに、私の郷土大牟田市には「大番」という食堂(ウチの店の近所)が古くからあるので、駆け出しの頃の私でもこの蒸留所は直ぐ覚えることが出来ました(笑)。
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