2008年08月23日
【H】 HIGHLAND PARK / ハイランド・パーク
オークニー諸島・メイン・ランド島H
【H】HIGHLAND PARK / ハイランド・パーク
●ウェブ・サイト・・・・http://www.highlandpark.co.uk/
●所在地・・・・・・・・Kirkwall, Orkney
●創立・・・・・・・・・1795年(ライセンス取得は1825年)
●所有者・・・・・・・・Highland Distillers Ltd
●発酵槽・・・・・・・・オレゴン松×10基 シベリア産カラ松×2基
●蒸留器・・・・・・・・初留×2基 再留×2基
●仕込み水・・・・・・・Crantit Spring(大全には「Cattie Maggie Spring」と、なっているが、現在は左記の水源を使用しているようだ。)
●ブレンド銘柄
フェイマス・グラウス
カティサーク
ザ・マッカンガス12年
ロイヤル・カリス
*フェイマス、カティは系列ブレンデッドなので納得が行くラインナップ。
マッカンガスは再三書いているようにシーバス・リーガルの採用されなかったレシピのウイスキーですが、12年物にはハイランド・パーク等の原酒が使用されているとブレンデッド大全には書いてある。シーバスのマスター・ブレンダーの父親がハイランド・パークの工場長だったこととは恐らく関係無いでしょうね。
ロイヤル・カリスは現在ボトラーとして馴染みのあるヴィンテージ・モルト・ウイスキー・カンパニーのブレンデッド・ウイスキーですから、同社所有、または関係各社の原酒を生かした商品と言えそうです。ボトラー関係への供給が難しくなってきた現在は、消え行く銘柄とも言えるかも?
あと、余り記載されることは無いですが、現在ロングジョンの原酒の1つという紹介も結構見かけたりします。ロングジョンはアライド・ドメック買収(2005年)に伴い、ペルノ・リカールの商標となっているはずですが、オフィシャル・サイトでは影も形もありません。日本では今もサントリーさんが取り扱っているので間違いは無いと思いますが、恐らくバランタインやシーバス・リーガルというビッグ・ネームの影響で、すっかり日陰者といった所でしょうか?ハイランド・パークとの関係は定かではありませんが、自社の原酒ではロングジョンまで供給出来ないということでしょうかね~?
【ティスティング No.117】
ハイランド・パーク 12年熟成 43% 蒸留所詰め
For Italy, 70's Rotation
【色】
透明感のある黄褐色(チャート1.3~1.4)
【香り】
オールド物に見られるシェリー系のひねた香り、ワックス、煙、レザー、蜂蜜、麦芽。現在のものと比較すれば相当に重厚な香りだと言える。
【味、フィニッシュ】
長熟アモンティリャードのような風格とスモーク。バニラの甘さとしっかり目のタンニンが骨格を作り、奥行きのある味わいを演出している。アフターは43%にしては異常に長く非常に満足感がある。最後に煙と、ややケミカル感のある甘みが残る。
【総評】
やっぱ、このボトルは何時飲んでも美味いっす!!言うこと無し!!マイナス要因もあることはありますが、補って余る素晴らしい味わいは脱帽物です。勿論12年熟成なのでビッグな味わいとまでは言いませんが、バランス感覚に優れた秀逸なウイスキーであることは間違いありません。
ハイランドパークはご存知の通り多様な銘柄があり、スタンダードな物からヴィンテージ物のような特別な物まで、期待を裏切らない信頼の厚いブランドなので、熱狂的なファンが居ることも頷けると思います。
近年、ややドライになって来た傾向を感じてはいますが、他蒸留所の同価格帯の物と比べれば、やはりハイランド・パークへの信頼は揺るがないと思ってます。また、そうあって欲しいと、1人のファンとしても願うばかりです。
ボトラー関係も非常に数多く出回っており、ショート・エイジから40年熟成位まで、味わいの幅も広~く楽しめますし、購入しやすい価格帯であることからも、ストックされている原酒の豊富さが伺えますね。
2008年07月18日
【T】 TULLIBARDINE / タリバーディン
ハイランド地区T
【T】 TULLIBARDINE / タリバーディン
●ウェブ・サイト・・・・http://www.tullibardine.com/
●所在地・・・・・・・・Blackford, Perthshire
●創立・・・・・・・・・1947年
●所有者・・・・・・・・Tullibardine Ltd.
●発酵槽・・・・・・・・ステンレス×6基(以前は大全の通り8基)
●蒸留器・・・・・・・・初留×2基 再留×2基
●仕込み水・・・・・・・ダニー川
●ブレンド銘柄
スコッツ・グレイ
グレンフォイル
*2003年に見事に大手(Whyte & Mackay)より独立し1本立ちした蒸留所で、上記ブレンデッドに供給されているかは現在は不明。
1本目のスコッツ・グレイは、1979年以降タリバーディンを中核としているだけに今も供給の可能性はあるかも知れない。
2本目のグレンフォイルと言うロスト・ディスティラーに肖った名前を持つ銘柄は、調べた所、ブレンデッドとシングル・モルト両方にその名前があることが分かった。しかし現在はブレンデッドの方の製造はされていないようなので、当然独立を果たしたタリバーディンとは関連性が更に薄くなったと言えるでしょう。
現在、オフィシャル・ホーム・ページを見ると、ジョン・ブラックと言うブレンデッド・モルト・ウイスキーと、スコットランド最古のエール醸造所(12世紀)の跡に建設された経緯もあり、スコットランド王ジェームズ4世の戴冠式に供されたと言われる年の1488と銘打ったエール各種、タリバーディンを使用したクリーム・リキュールなども製造している。ちなみに蒸留所のショップの名前もCAFE1488と銘打ってあり、創業した年号だと思い込んでしまう人も居るかも知れません。
跡地に建設されただけであり、全く関係無いのに紛らわしいと見るか、独立を果たした上での営業努力と見るか、はたまた、ブラックフォードの伝統を復活させたと見るかは人によってマチマチでしょう。
【ティスティング No.116】
タリバーディン 24年熟成 1965-1989 46% ケイデンヘッド詰め
Black Dumpy
【色】
濃いゴールド(チャート0.8~0.9)
【香り】
ワックス、レザー、シナモン、バニラ、イチゴ・ジャム、バナナ。大まかには、手入れをしたレザーのような香りと、火を入れたイチゴのような特徴を持った香りだ。
【味、フィニッシュ】
やや古い木材のようなタンニンが優勢だが、レザーやバニラの特徴を持った甘みとバナナのような味わいがバランスを保っている感じ。余韻は46%にしては長めでレザーの雰囲気が残る。
【総評】
まず時代物のケイデンヘッドなので期待も膨らむと思いますが、香りの一端にあるジャムのニュアンスに好感を持った程度で、驚くようなビッグなモルトでは無いことを断っておきます。
味わいについては昨日のトマーチンと差して代わり映えしなかったが、やや今回の方が柔らかい感じはした。しかし、味わいの変化は少ないものの、絶妙なバランスを持ったウイスキーでスルスルと飲めてしまう。テイスティングで直ぐ飲んでしまうことは少ないのですが「ん~、これはヤバイっす!」ドランカーは注意が必要です(笑)。
独立後のリリースは1965、1966等の古いヴィンテージ物を筆頭に、70年代、80年代、90年代と、まんべんなくヴィンテージ表記物のリリースが現在も続いている。
日本へも勿論輸入されているが、差程メジャーでも無いのに80年代以前の物になるとグンと価格が上がるので、少し取っ付き難かったりする。ま、カスク物で10年程度の熟成してたら1万円するご時世ですから当たり前と言えば当たり前ですかね・・。
私の場合、余程のことが無い限り熟成1年につき千円を超えない物を買おうと決めているので、最近買えない物がたま~にあるんですよね~。ま、色んな要素で価格が上がっているのは理解してますが・・・、いや、ま、世知辛い話しですな~(苦笑)。
ま、それはさておき、ボトラー関係ではほとんどリリースは無く、老舗ボトラーから少量のみリリースがある。また、旧オーナーからのオフィシャル・ボトルもまだまだ在庫が有りそうなので、タリバーディンを極めようとする端っこ好きな方は是非探してみて下さい。
*今回でハイランド地区終了しました。次回はオークニーから順にアイランド巡りと行きます。ではまた!!
2008年07月17日
【T】 TOMATIN / トマーチン
ハイランド地区T
【T】TOMATIN / トマーチン
●ウェブ・サイト・・・・http://www.tomatin.com/
●所在地・・・・・・・・Tomatin, Inverness-shire
●創立・・・・・・・・・1897年
●所有者・・・・・・・・Takara Shuzo and Okura & Co Ltd.
●発酵槽・・・・・・・・ステンレス×10基(12基との記載もある)
●蒸留器・・・・・・・・初留×6基 再留×6基(大全では12×11)
●仕込み水・・・・・・・オルタ・ナ・フリス川
●ブレンド銘柄
アンティクァリー
トマーチン(ビッグ・ティー)
ザ・タリスマン
シンジケート 58/6
*シンジケート以外は全て「The Tomatin Distillery Co Ltd」が製造しているブレンデッド・ウイスキー。オフィシャル・ホーム・ページ(以下HP)を見た限りでは、現在トマーチン(ビッグ・ティー)ブランドは製造して無いようだった。ま、国分と同じブランド名を扱う訳には行かないだろうが、宝酒造のHPにはアンティクァリーしか扱いが無い(説明文一つありません)。
ウイスキー蒸留施設の閉鎖(2003年)もそうだが、恐らく宝酒造の部分的な撤退、縮小、効率化があったと私は見ている。つまり、オーナーとして名前はあるが実際は別の会社として機能している訳だ。
ま、あくまで私の想像ではあるが、こういった背景でも無い限り国分でシングル・モルト・ウイスキーを大々的に扱える訳は無いと思う(宝酒造と何か関係があるのかな?)。また、最近はボトラーでも良く見かけるようになりましたよね。
これはそろそろ「蒸留所を売りに出したりすることも可能性としてはあるんじゃないか!!」とも思うんだが、考え過ぎだろうか!?
あと上記以外に関連があるブランドとしてオールド・セント・アンドリュースと言うブランドがあるが、宝酒造が買収する前年に所有していた株式を手放しているので、80年代まではブレンドされてる可能性はあるだろうが、現在のウイスキーには全く関連性は無いだろう。
【ティスティング No.115】
ザ・ロンバート・コレクション No.79(トマーチン)1965 46% ロンバート詰め
(多分)For USA , 80's Rotation
【色】
琥珀色(チャート0.7~0.8)
【香り】
ワックス、古い木材、熟したバナナ、シナモン系スパイス、カスタードのような甘い香りも感じる。
【味、フィニッシュ】
ジンジャーのようなスパイシーさと古い木材。香りに感じたフルーティさは影を潜め、タンニンとバニラの甘さのバランスが長く長く続く。
【総評】
このボトルは情報が少なかったので確証は無いが、外箱やラベルから判断するに恐らく20~25年辺りの熟成期間で、80年代後半~90年前後にリリースされた物だと思われる。
スコットランド最大の蒸留所として拡張されて行く60年代ど真ん中に蒸留されただけあり、曇りの少ないシャープなスタイルを持ったウイスキーで、当時の樽のポテンシャルを遺憾なく発揮していると思われる。
ただ惜しむらくはカスク・ストレングスでは無かったことで、人によっては線がぼけたような印象を持つのではないだろうか?と思うが、高レベルな樽出しウイスキーを知らなければ十分美味しいウイスキーかも知れません。
私などは、度数がどんなに高かろうが「ギュッッ!」と美味しさが詰まった状態が大好物なので、こういう感想が出てしまうのは仕方ないと言うことでしょうね。
現在のリリースは旧ラベルの10年、現行ラベルの12、18、25、30、各種ヴィンテージと、オフィシャルとして日本に輸入されてるだけでも多彩なラインナップ。更に、オフィシャル・ホーム・ページには40年熟成などもあり、「トマーチンここに極まった!」との印象があります。
また、ボトラーにしても多彩なリリースがあり、ダンカンテイラーの40年オーバーを筆頭に、10年以下の熟成物などもあるので、楽しみの幅はとても広いと思います。
ここ数年、シングル・モルトのムーブメントのおかげか、10年前では考えられないような状況になっているトマーチン蒸留所。はたして今後の運命は如何に!?
ちなみに、本によってはスペイサイドに区分されることがあることも書いておきます。
2008年07月16日
【T】 TEANINICH / ティーニニック
ハイランド地区T
【T】TEANINICH / ティーニニック
●ウェブ・サイト・・・・http://www.malts.com/
●所在地・・・・・・・・Alness, Ross-shire
●創立・・・・・・・・・1817年
●所有者・・・・・・・・Diageo Moet Hennessy (旧UDV社)
●発酵槽・・・・・・・・ステンレス×8基
●蒸留器・・・・・・・・初留×5基 再留×5基(大全では5×5だが、現在資料の多くは3×3となっている)
●仕込み水・・・・・・・デイリーウェルの泉
●ブレンド銘柄
ジョニー・ウォーカー
ロビー・バーンズ
ヘイグ
ヴァット69 など
*特に縁のあるブレンデッドは上記に無さそうだが、規模の大きさとリリースの度合いを考えると、結構多くのディアジオ系ブレンデッド・ウイスキーに使用されているのだろう。ロビー・バーンズ(Diageo)という銘柄は輸入されて無いようだが、ロバート・バーンズ(Arran Distillery)の銘柄と混同しやすいので注意。
【ティスティング No.114】
ティーニニック 18年熟成 1975-1994 62.6% キングスバリー詰め
Kind of Cask : Ork(ex-Bourbon) Cask No : 94/56/1
【色】
薄いゴールド(チャート0.3~0.4)
【香り】
バニラ、セメダイン、煮豆。蜂蜜と薄っすらとマンゴーのようなフルーティさも感じるが、いささか刺激が強い。多少慣れると香ばしさもあり良好な酒質であることも分かる。
【味、フィニッシュ】
刺激は無論あるが、酸を帯びたミルキーな甘さが心地良い。干し草のニュアンスと煎った豆のような香ばしさを感じつつ、程なくタンニンが現われ全体を締める。余韻は長く、甘さと苦みのバランスが良い。
【総評】
度数が高いので、初心者には辛いウイスキーだと感じるかも知れないが、色合いからは想像出来ない実に濃い味わいを持ってる1本。
味わいのファクターは多く無いが、嫌みの因子は非常に少ないタイプで、仮に50度台の度数でこの味わいなら90%位の確率で「美味い」と、言わせられると思います。
過去私が経験しているティーニニックは、ほとんどはバランスが良く、カスタマーを選ばない優秀なウイスキーのイメージがあるが、記憶にとどめるようなビッグな物にはまだ出会って無い。ノン・ピートであることも要因の1つかも知れないが、バランスの良さも時として仇になると言うことかも知れません。
現在オーナーからのリリースは92年からリリースされている花と動物シリーズとレア・モルト・セレクション数種。ボトラーからはG&Mを除きやや単発と言った所なので、出回る数は少ない部類でしょう。また、92年以前は老舗ボトラー以外ではほとんど見かけなかった銘柄の1つです。
2008年05月27日
【JP】 HANYU / 羽生 #2
リクエストNo.18
【JP】 HANYU / 羽生 #2
●蒸留所の情報はティスティングNo.76に準じます。
【ティスティング No.113】
HANYU DISTILLERY 1988-2007 55.6% NUMBER ONE DRINKS COMPANY
Cask No.#9501
Number of Bottles 352bts
Cask type:Bourbon hogshead. finished in japanese oak
【色】
濃いゴールド~クリアーな銅色(チャート0.9~1.1)
【香り】
溶剤、オーク、レザー、バニラ、塩気のあるチョコレートと煙が特徴的で、レモンの皮のような香りも感じる。ジャパニーズ・オーク(ミズナラ)のニュアンスも無論あるが、いわゆる線香のような香りは強く感じないので、ピート臭がスポイルしていると考えられるかも?
【味、フィニッシュ】
重たさは余り無くバランスの良い甘さと苦みが心地良い。ほぼ香りのニュアンスと同義で、レザー、バニラ、煙などが続く。若干ドライ目に切れ上がるが、アフターはそこそこ長く、バニラの甘さとタールのニュアンスを残す。
【総評】
今回のボトルはヨーロッパ向けのイチローズ・モルトと言うべきウイスキーで、昨年末にベンチャー・ウイスキーさんからダイレクト・メール貰ってる方ならご存知だと思いますが、「MALT MANIACS AWARDS 2007」の「Supreme Warped Cask Award」にてナンバー・ワンに輝いたボトル。
大まかに言うと、バランスが良く、煙を特徴とした美味しいウイスキーだと言えると思います。また、実際は違いがあるでしょうけど、キング・オブ・ダイアモンドを思い出させる・・、または似てるんじゃないかと思わなくもないです(比べてはいません)。もしくはファースト・ボトルの発展系かな~・・?
発売元のナンバー・ワン・ドリンクス・カンパニー(http://www.onedrinks.co.uk/)にもデイブ・ブルーム氏によるテイスティング・ノートがあるので是非見て欲しいのですけど、最後のコメントに「日本風」という言葉がある通り、外国人から見たジャパニーズ・シングル・モルト・ウイスキーならではの特徴を表現しているボトルの1つだと言えるでしょう。
ちなみに「NUMBER ONE DRINKS COMPANY」はMARCIN MILLER氏(ウイスキー・マガジン)とDAVID CROLL氏(ウイスク・イー)がディレクターを行っている会社で、現在は羽生蒸留所と軽井沢蒸留所の原酒を主にヨーロッパ方面へ紹介しているようです。
*今回は某インポーターさんから「感想を・・」との依頼があったので、どうせならウスケバにアップしようと思い、「リクエストNo.18」としてテイスティングしました。
2008年04月24日
【S】 SPEYSIDE / スペイサイド
ハイランド地区S
【S】SPEYSIDE / スペイサイド
●ウェブ・サイト・・・・http://www.speyside.com/ http://www.speysidedistillery.co.uk/
●所在地・・・・・・・・Glen Tromie, Kingussie, Inverness-shire
●創立・・・・・・・・・1895年(Sir George MacPherson Grant & George)現在の蒸留所は1990年
●所有者・・・・・・・・Speyside Distillery.co
●発酵槽・・・・・・・・ステンレス×4基
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・ガイック鹿保護区内の泉(River Tromieと表記されることもあります)
●ブレンド銘柄
スペイサイド
*少なくとも発売当初のスペイサイド・ブレンデッドにはブレンドされて無かったと思いますが、現在の物には当然ブレンドされているはずです。比較的新しい蒸留所なので以前はラインナップも少なかったが、現在は以下のように多種多様なラインナップをリリースしている。また、こちらのブログに来ている方ならスコッツ・セレクションやプライベート・セラー・シリーズのシングル・モルトをリリースしている会社としての認知があるかも知れませんね。
Speyside Distillery Blended List
Best Seller
Black Fox
Glenross
Great Scots
Highlander
King's Crest
Kings Scotch
MacGavin's
Murdoch's Perfection
Old Monarch
Scotch Guard
Scottish Prince
Speyside
The Dirk
*興味があれば2つ目のウェブ・サイトに詳しく記載されています。
【ティスティング No.112】
ドラムーイッシュ(ドラムグイッシュ) No Age 40% 蒸留所詰め
90's Rotation
【色】
薄いゴールド。(チャート0.2~0.3)
【香り】
ニュー・ポット、麦芽、ハーブ、遠くに蜂蜜とクリーミーな甘さをソフトに感じる。
【味、フィニッシュ】
軽くローストしたナッツ、干し草、バニラ系の甘さ、やんわりと煙。申し訳なさそうにタンニンが現れ、香ばしいナッツのニュアンスがフィニッシュまで続く。アフターは長くは無いが、気持ちの良いクリーミーさが残る。
【総評】
「Drumguish」は5年程度の若いモルト・ウイスキーと言われるだけあり流石に複雑さも特別な味わいも無いけれど、ナチュラルな美味しさを持つ秀逸なウイスキーだと今回は感じた。残念なことに現在生産されて無いようだが、行き付けのバーで見かけたら是非1杯目に飲んで欲しい。きっと2杯目以降のバロメーターとして活きてくるウイスキーだと思います。
現在はドラムーイッシュ表記のものは製造を中止し、スペイサイド表記のシングル・モルトへ完全にシフトしていて、私は飲んで無いので比較もクソもないのですが、熟成が伸びた分恐らくはそのポテンシャルを発揮しているのではないかと察します。
ま、そうそうスペイサイド蒸留所に思い入れある方は居ないと思いますが、ボトラー関係も無くはないものの極限られていますので、ラインナップを増やしたいと思うのであれば即ゲットでしょうね。
ちなみに、創立1895年とした同名の蒸留所のオマージュは今回のドラムーイッシュと言う名前などで分かる所ですが、実際は別の蒸留所と考えた方が良いとは思います。それと、スペイサイドと言う名前の蒸留所なのにハイランド産となっているのは、多くの資料でそう表記してるからであり、名前からでしょうけど、スペイサイド産と表記している所があることも一応書いておきます。
2008年04月23日
【R】 ROYAL LOCHNAGAR
ハイランド地区R
【R】ROYAL LOCHNAGAR / ロイヤル・ロッホナガー
●ウェブ・サイト・・・・http://www.malts.com/ http://www.singlemalt.jp/
●所在地・・・・・・・・Crathie, Ballater, Aberdeenshire
●創立・・・・・・・・・1826年(James Robertson)現在の場所では1845年(Jonn Begg)
●所有者・・・・・・・・Diageo Moet Hennessy (旧UDV社)
●発酵槽・・・・・・・・カラ松×3基
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・ロッホナガー山麓の湧き水
●ブレンド銘柄
ヴァット69
ジョニー・ウォーカー
ブラック・ラベル
ゴールド・ラベル
ブルー・ラベル
ジョン・ベグ など
*現在はほぼヴァット69とジョニー・ウォーカーの原酒として使用されていることはどの書籍においても書かれてあるのでご存知な方も多いと思います。しかし、こちらのブログを見ている方ならご存知の通り、上記の銘柄の中で一番縁が深いのは現在生産されているか定かでは無い(アメリカ向けがあるかも知れない)ジョン・ベグ(John Begg)という銘柄で、1845年に現在の場所へ蒸留所を建設した、資産家ジョン・ベグ自らの名前を過去モルト・ウイスキーにも付けていたことからもその縁の深さが理解出来ると思います。時折オークションなどで見かけるので買い求めるのも良いとは思いますが、ここ10年以内に出回ったアメリカ向けの物は、従来の重厚さは残ってないと言われているので気を付けましょう。
【ティスティング No.111】
ロイヤル・ロッホナガー・セレクテッド・リザーブ No Age 43% 蒸留所詰め
90's Rotation
【色】
透明度のあるマホガニー。(チャート1.5~)大抵「Amber red」と表現されることが多い。
【香り】
焦げたグラニュー糖、レーズン、ワックス、シナモンやアニスのようなスパイス、ゴム、ナッツ、焼きリンゴの様なフルーティさと煙。シェリー樽メインのヴァッティングだと直ぐに理解が出来る。香りの層が厚くリッチな香り。
【味、フィニッシュ】
ジンジャー、シナモン、クローブ、アニスのスパイシーさとクリーム&レーズンのような甘さ。やがてゴムのニュアンスと煙、タンニンを感じつつフィニッシュを迎える。アフターは当然長くクリーミーさとレーズンが喉の奥に鎮座する。
【総評】
香りは流石に複雑だが少々面白みに欠ける味わい。また、シェリー樽由来の香気に満ちているが、本来の良い部分をスポイルしているとも言えるし、それだけに「負」の部分が出ているとも言えるでしょう。
リッチなウイスキーだと思うし美味しいとも思うのだが、個性が飛び抜けている訳では無いし、正直味わいが単調な感じがして、私などは飲んでる間に飽きてしまいそうになる。ま、ある方面から見ればバランスが取れていると言えなくもないとは思うが、UD時代最高額を誇るウイスキーとしての私の評価は低い。
決して不味いという訳では無いので誤解して欲しくはないが、価格と味わいのバランスを踏まえると、こういう類のウイスキーは扱いが難しく使用頻度が非常に少ない。当然、私からお客様へ勧めたことは過去1度も無いですし、これからも無いと思います。
飲むタイミングとしては、スタンダードから3ステップ目辺りに飲むのが恐らくベターで、きっと「美味い~!」と、感涙しそうですが(笑)、現在のように多種多様に流通している時代だと低価格でも面白い物が豊富にあるので、微妙な位置にあるセレクテッド・リザーブは精々一度飲めばそれっきりと言うこともあるでしょう。ま・・しかし、人の思うことはそれぞれですので、ラヴァーの皆さんも思い出した時にでも飲んであげて下さいませ。
現在オフィシャル・ボトルとしては、12年、今回のセレクテッド・リザーブ、レア・モルト・セレクションの23年、30年が入手可能(今買おうとするなら間違い無くレア・モルト・セレクションです)。ボトラー関係は昔から数が少なく単発なので、ロッホナガー・ファンなら見かけたら即ゲットをお勧めします(動きが速い訳ではありませんけどね)。
2008年04月22日
【R】 ROYAL BRACKLA / ロイヤル・ブラックラ
ハイランド地区R
【R】ROYAL BRACKLA / ロイヤル・ブラックラ
●ウェブ・サイト・・・・http://www.dewarswow.com/
●所在地・・・・・・・・Cawdor, Nairn, Nairnshire
●創立・・・・・・・・・1812年
●所有者・・・・・・・・John Dewar & Sons Ltd(Bacardi Ltd.)
●発酵槽・・・・・・・・カラ松×6基
●蒸留器・・・・・・・・初留×2基 再留×2基
●仕込み水・・・・・・・コーダー川
●ブレンド銘柄
ザ・マッカンガス
ビセッツ・ファイネスト・オールド
ビセッツ・ゴールド・ラベル
ジョニー・ウォーカー・ゴールド・ラベル
デュワーズ・ホワイト・ラベル
*アンドリュー・アッシャーにて考案されたブレンデッドにロイヤル・ブラックラが使用されたことは有名(?)な話だが、現在の所で確認出来るのは上記の銘柄。
ザ・マッカンガスは、日本市場をターゲットにした売り口上の多い(笑)ブレンデッド・ウイスキーで、ロイヤル・ブラックラもメイン・モルトとして挙げられているが、関連は今一つ定かでは無い。想像を働かせれば、メイン・モルトとして結構な大物や、少なくとも4社にまたがる原酒が入っているので、それだけ業界に精通している企業ということも考えられるだろう。興味があれば社名から追っかけてみれば面白いことが分かるかも知れない。
ビセッツの2種は、1926年にビセット社(ブレンド会社)により買収されているので当然メイン扱いのブレンドが為されていたと思う。海外のオークションで60年代後半の物を確認出来たので1943年のDCL参入後も生産されていたのは間違い無いだろうが、現在生産されているかは確認出来なかった。
ジョニー・ウォーカー・ゴールド・ラベルにブレンドされ始めたのは当然発売になった1990年だろうが、バカルディ社の手に渡った現在はブレンド自体微妙だし、ブレンドされているとしても公表することは無いと思われる。案外熟成が伸びた現在のボトルにはブレンドされて無いかも知れませんね。
デュワーズ・ホワイト・ラベルは蒸留所に看板掲げてる位だから間違い無くブレンド確定でしょう!・・って言うか、現在のロイヤル・ブラックラはデュワーズの為の原酒と言っても差し支え無いんじゃないでしょうか?近年10年物のオフィシャル・シングル・モルトが同社よりリリースされたのも記憶に新しいです。
【ティスティング No.110】
ロイヤル・ブラックラ 17年熟成1979ー1996 59% ザ・ヴィンテージ・モルト・ウイスキー詰め
The Cooper's Choice
【色】
白ワイン~薄いゴールド。(チャート0.1~0.2)
【香り】
ニュー・ポット、セメダイン、蜂蜜、干した蜜柑の皮、少々の藁とバイオレット系の花。アルコールの刺激がやや強い。
【味、フィニッシュ】
麦芽の甘さとバニラ。そして嫌みのない藁へ移行する。軽めのタンニンからフィニッシュにかけてフローラルさを感じる。アフターは割と短くさっぱりとしたイメージ。
【総評】
割と評価の高いザ・ヴィンテージ・モルト・ウイスキー社詰め初期物の1本。
見た目よりはドライ過ぎず優等生的モルト・ウイスキー。しかし、綺麗でベーシックな酒質ゆえ印象には残り辛いだろう。既に詰められて12年の月日が経過しているが、良いのか悪いのかパワフルな印象はこれっぽっちも変わってませんでした。ん~・・、美味しいのだが特筆することが少ない。ま、リベットのナデューラ辺りが好きならこれもOKと言った所かな~。
ロイヤル・ブラックラは希に「お!来た!!」って言うのに当たりはするものの、多くはこのボトルのように優等生的な印象が強い。私は10年以内の短い熟成のものは飲んだことが有りませんが、短期の物は余程のことが無い限り印象に残ることは無いでしょう。経験上25~30年熟成位が当たる確率高いと思ってます。
現在のボトリングは、上に書いているようにオーナー詰めの物も流通してますが、日本では見かけ辛く殆どがボトラー詰めの物ばかり。もしくは前オーナー詰めの花と動物シリーズなどがバー関係では飲めるのではないでしょうか?
また、ロイヤル・ブラックラで忘れられない事柄としては、1926年ヴィンテージの60年物という、驚愕の熟成年数のものが過去リリースされたこともありましたね。まだ国内で売ってる所があるので富豪の方は是非どうぞ(笑)。
2008年02月20日
【P】 PULTENEY / プルトニー
ハイランド地区P
【P】 PULTENEY / プルトニー
●ウェブ・サイト・・・・http://www.oldpulteney.com/
●所在地・・・・・・・・Wick, Caithness.
●創立・・・・・・・・・1826年
●所有者・・・・・・・・Inver House Distillers Ltd.
●発酵槽・・・・・・・・鉄×6基(内部はステンレスらしい)
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・ヤーロー湖(他にLoch of Hempriggsとの説明の場合もあるが、現在そちらはクーリング・ウォーターとしての使用らしい)
●ブレンド銘柄
バランタイン
インバー・ハウス
ザ・マッカンガス
タプローズ
*ブレンデッドに関しては、現在オーナーであるインバー・ハウス系の物に当然多くブレンドされており、上記インバー・ハウスを始め、「Catton's、Hankey Bannister、MacArther's、Pinwinnie Royal」などへ供給されているとのこと。よってバランタインへのブレンドは疑問を持つ所だが、かつて魔法の7本柱と呼ばれた銘柄だけに、突然供給ストップという訳には行かないだろう。
ザ・マッカンガスは、20世紀初頭バランタイン社を所有していた当時のオーナーが、のちにシーバス・リーガルの新しいブランドを試作した際に採用されなかったブレンドを復活したウイスキーだと言われている。当然バランタインへのオマージュも考えられるのでプルトニーがその一端を担うのも頷ける所だ。
タプローズに関してはハッキリとした関連が分からないが、タプローズ社自体が18世紀半ばに創業したワインやスピリッツを扱う歴史ある会社なので、酒類関連の人脈を活かしたブレンドということだろうと思う。しかし、現在バーン・スチュワート社が製造となっており、リンクウッド、マッカラン、ザ・グレンリベット、カリラ、ポート・エレンなど、割と豪華な主要モルトの一つとして紹介してあるのは少し解せない気がする。
【ティスティング No.109】
52.8(オールド・プルトニー)25年熟成 1971-1996 58.4% S・M・W・S詰め
【色】
琥珀色。(チャート0.7~0.8)
【香り】
古樽、セメダイン、蜂蜜、パパイヤ系フルーツ、バニラ、少し煙。コメント書く気にならない程良い香り!!ん~、たまらんね~!!
【味、フィニッシュ】
ほど良い麦芽の甘さと強いバニラ。ややドライな性格だが、注意深く探って行くと桃やバナナのようなフルーティさが交差して行くのが分かる。タンニンは長い熟成からすればアクセント程度のもので、余韻は長く、バニラとフルーツ・タルトのようなイメージが湧く。
【総評】
香りだけで小一時間は楽しめそうな1本。ウイスキー・ラヴァーならしばらくはニヤニヤすることでしょう(笑)。
しかし、恐らく熟成の長さとボトリングから十年以上という歳月に起因するのだと思いますが、香りは素晴らしいものの若干味わいの主張が弱いので、ウイスキー初心者には少し分かり辛さもあるかも知れません。
勿論!!このブログを読んでいる皆様のような方には十分過ぎる程の至福を与えられるウイスキーだとは思いますが、数杯重ねた後に飲むタイプでは無いことだけは書いておきます。
現在のボトリングはオフィシャルから12、17、21年、リミテッド物も数種類リリースされているし、ボトラー物も数多く存在しているので、結構楽しめる銘柄だと思われます。また、嫌う人もまず居ないので勧めやすい銘柄とも言えるでしょう。
以前はオフィシャル・リリースが無かったので、私などはG&Mの15年辺りがプルトニーのベーシックになってますが、現在の12年でもそれなりの味わいはあるので、初心者から抜け出す位には打ってつけの銘柄かも知れません。
2008年02月19日
【O】 OBAN / オーバン
ハイランド地区O
【O】 OBAN / オーバン
●ウェブ・サイト・・・・http://www.malts.com/ http://www.singlemalt.jp/
●所在地・・・・・・・・Oban, Argyllshire
●創立・・・・・・・・・1794年
●所有者・・・・・・・・Diageo Moet Hennessy (旧UDV社)
●発酵槽・・・・・・・・カラ松×2基 オレゴン松×2基
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・グレネベリー湖(掲載時期によって違い有り)
●ブレンド銘柄
オールド・マル
デュワーズ
*ブレンド銘柄として上記は公になっているが、どちらも系列会社では無い為現在ブレンドされているかは微妙。デュワーズは一時期UD社系だったのでまだ納得しようもあるが、オールド・マルはホワイト&マッカイ系なので可能性は更に薄い。憶測だが、数年前から原酒不足だと言われ続けられている銘柄だけに、ブレンドに回されている絶対量は以前より少なくなっているように考えられる。
【ティスティング No.108】
オーバン 14年熟成 43% 蒸留所詰め
90's Rotation
【色】
濃い目のゴールド(チャート0.7~0.8)
【香り】
蜂蜜、ジンジャー、麦芽、煙。ややヨーロピアン・オークを感じる。
【味、フィニッシュ】
バニラと蜂蜜から麦芽っぽさへ移行。ジンジャー、クローブなどのスパイス、煙たくない煙と、ほど良いタンニン。フィニッシュはミディアム・クラスで、再度バニラを感じるスムースな終わり方だ。
【総評】
西ハイランド地区の生き残りは、とてもボディ・バランスの取れたナイス・ミドル的1本(笑)。お客様に「オーバンが好きなんです。」なんて言われると「お!良い趣味してるな!!」などと思ってしまうのは私だけだろうか?
今回は相当久しぶりのテイスティングながら、思っていた通りの味わいで特に書くこと無くて困るって所でしたが、しかし、この思ってた通りっていうのが凄いと言えば凄いことで、薄っぺらになりがちな昨今のスタンダード的なボトルが、変わらぬ表情を見せてくれる。これほど嬉しいことは無いと思います。
残念ながら、オーバンも原酒不足による価格の上昇がラガヴーリン程では無かったもののここ数年起こっているし、ボトラー詰めも極端に少ない為、楽しみの幅が非常に狭い。オーナーからの長熟物のリリースは少量あるが、一般の方はおろか私らでもおいそれと手が出る価格では無いので、もう一つメジャー路線へは乗り難いのだろう。
ま、根強いファンが居るだけに、もう少し展開に期待したい銘柄ですね~!!
ちなみに、私の郷土大牟田市には「大番」という食堂(ウチの店の近所)が古くからあるので、駆け出しの頃の私でもこの蒸留所は直ぐ覚えることが出来ました(笑)。
2008年02月02日
【N】 NORTH PORT / ノース・ポート
ハイランド地区N
【N】 NORTH PORT / ノース・ポート
*「Brechin / ブリーキン(又はブレヒン、ブレチン)」などの表記あり
●ウェブ・サイト・・・・なし http://www.diageo.com/ http://www.singlemalt.jp/
●所在地・・・・・・・・Brechin, Angus
●創立・・・・・・・・・1820年
●閉鎖・・・・・・・・・1983年
●所有者・・・・・・・・Diageo Moet Hennessy (旧UDV社)
●発酵槽・・・・・・・・?×?基
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・リー湖の水
●ブレンド銘柄
スチュワーツ
グレン・デュー
ヘザー・デュー
*ハッキリした時期は分からなかったが、何れにせよSMDの子会社にて生産されていた経緯があるようだ。スチュワーツは現在も生産されているようだが、ブレンドに関しては既になされていないと見るのが妥当だろう。
グレン・デューはヴァッテッド・モルト・ウイスキーで、ブレンデッドのヘザー・デューと同時期にリリースされていたみたいだが、詳細に関しては今の所どちらも不明。結構古い銘柄みたいだが・・さて??
【ティスティング No.107】
ノース・ポート(ブリーキン) 18年熟成 1976-1995 61.4% ケイデンヘッド詰め
Cadenhead Authentic Collection
【色】
黄色の強い白ワイン。(チャート0.2~0.3)
【香り】
藁、青草、麦芽、レモン・シャーベットと少し溶剤。蜂蜜の様な甘さ、香ばしさ、酸も感じる。
【味、フィニッシュ】
少し酸を帯びた麦芽そのものの甘さが藁の特徴を備えた形で感じる。続いてほろ苦さがやってくるが、酒精の強さゆえか切れ上がりが早い。18年熟成ながら樽の影響は殆ど見られず、アフターまで変化が少ない味わいだ。
【総評】
「こ、これは!!」と、いったノース・ポートに私は出会ったことが無いが、恐らく年代やボトラーにより相当個体差がある銘柄だと思う。また、一応オフィシャルとして近年オーナーからリリースされた経緯はあるが、その評価もマチマチではないだろうか?
今回のボトルはケイデンヘッドの95年詰めの物で、18年という頃合の良い熟成期間で期待も膨らむって所ですが、その酒質は熟成感の少ないシャープなスタイル&面白みも少ないので、胸を張って勧めれる訳も無く、やはりバック・バーの肥やしと化しておりました(苦笑)。
83年閉鎖蒸留所なので貴重といえば貴重ですが、ポートエレン(同83年閉鎖)と同じような扱いは今後も一切無いと思います。しかし、現在出荷が極端に少ないのでモルト・ジャンキーであれば今のうちに1、2本は手元に置いときたいって所でしょうかね~・・・多分(笑)。
ちなみに呼び名ですが、1823年にブリーキン(又はブレヒン、ブレチン)蒸留所となり、1839年にノースポートと改められたと記述があります。
P.S とりあえず暫定復帰しました。今後とも宜しくです!!
2007年11月30日
ご無沙汰してます。
ここの所の忙しさも一落着したと思ったら、朝までのお客様がたて続いてテイスティング所ではありませんでした。むろん全く時間が無かった訳ではありませんが、精神的に「無理!」ってな感じで長々とお休みしていた次第です。
再開宣言と行きたい所ですが、年末に向かい忙しい日も、遅い時間になる日もあると思いますので、「出来る限り」って感じで近々再開しようと思ってます。
ではでは、待ってる方も待って無い方もよろしくです!!
2007年10月13日
【M】 MILLBURN / ミルバーン
ハイランド地区M
【M】 MILLBURN / ミルバーン
●ウェブ・サイト・・・・なし
●所在地・・・・・・・・Inverness, Inverness-shire
●創立・・・・・・・・・1807年(諸説あるらしい)
●閉鎖・・・・・・・・・1985年
●所有者・・・・・・・・Diageo Moet Hennessy (旧UDV社)
●発酵槽・・・・・・・・?×?基
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・ダンテルケイグ湖
●ブレンド銘柄
マックリー・ダフ
*「MacLeay Duff」というブレンデッド・ウイスキーはディアジオ社にて生産されているみたいだが、閉鎖年からすると現在はブレンドされてないだろう。かつてはミルバーン蒸留所ありきな銘柄だけに尚更寂しい気がする。
1937年から1985年の閉鎖までDCLやSMDがオーナーとして名を連ねているので、それらを前身とする「Diageo Moet Hennessy」をオーナーとした。
1985年以降は一切の蒸留を行っておらず、1989年にはレストラン・チェーン「Beefeaters Restaurant」へ売却された。ちなみに、ジンの銘柄とは何の関係もありません。
【ティスティング No.106】
ミルバーン 1971-19?? 40% ゴードン・アンド・マックファイル詰め
Connoisseurs Choice (多分1991~3年位のボトリング)
【色】
濃いゴールド~銅色。(チャート0.9~1.0)
【香り】
麦芽、カラメル、安価なラム、ナッツと除光液。カラメルのヒネが前面に出ているので細かくは分かり辛い。
【味、フィニッシュ】
およそドライなイメージだが、バニラ、タンニン、ピートのバランスが絶妙。良い感じに伸びてくる苦さと程よいフェノール感。中程度の長さのアフターに現れる僅かな南国フルーツも好感が持てる。
【総評】
改訂前の大全には女性向きだとかダンボールとかバランスがいま1つとか書いてあったが、中々どうして、面白い美味しさが有るじゃないですか!!もちろん瓶内での期間があるので完全否定まではしませんが、そこまで変わるとはとても思えないので、土屋氏にはもう一度テイスティングして貰いたいですね~!!
私が思うにこのボトルは、絶対男性向きで、ダンボールは無くはないが極僅かで、バランスは良いと思います(否定してるか・・笑)。残念なことに香りに強くヒネが出ているので、ファースト・コンタクト時は余り良いイメージは湧きませんが、味わった瞬間からそんなことはどうでも良くなり、多少慣れて来た時には、オールド・ボトル特有の枯れた感じと、ピート&南国フルーツが炸裂し始めます。ハッキリ言ってメチャ美味い!!大きな声で叫びたい!!(笑)
現在のボトルはレア・モルト・セレクションが極僅かと、ボトラー数社のみが国内流通している。これは海外の著名なショップでも同様なので、原酒自体の少なさを物語っているように察する。
これまで色々とテイスティングし調べて来たが、1983年閉鎖組は割りと流通があるのに、なぜか1985年閉鎖組はとても数が少ない。人気の度合いか偶然か??ん~不思議だ!?
2007年10月11日
【M】 MACDUFF / マクダフ
ハイランド地区M
【M】 MACDUFF / マクダフ
●ウェブ・サイト・・・・なし
●所在地・・・・・・・・Banff, Banffshire
●創立・・・・・・・・・1962年
●所有者・・・・・・・・William Lawson Distillers Ltd (Bacardi Ltd.)
●発酵槽・・・・・・・・ステンレス×9基
●蒸留器・・・・・・・・初留×2基 再留×2基
●仕込み水・・・・・・・ジュリー川
●ブレンド銘柄
ウイリアム・ローソンズ
*1998年のデュワーズ系より早い1992年にバカルディ社に買収された蒸留所。現在ウイリアム・ローソンズは日本への輸入は無いみたいだが、ホーム・ページ(http://www.borninteractive.com/cybermixes/william/mnright.htm)らしきものは残っているので製造はしているのだろう。
ブレンデッド・ウイスキー原酒確保の為に1972年にウイリアム・ローソン社が買収し、現在は親会社としてバカルディ社の存在はあるが、今もこの関係は続いている。
【ティスティング No.105】
マクダフ 17年熟成 1978-1996 46% ウィルソン・アンド・モーガン詰め
Sherry Wood
【色】
深いゴールド。(チャート0.8~0.9)
【香り】
藁がやや強く、シェリーのカラメル臭と混じり合う。分解すると、草、カラメル、バニラ、リンゴ、ナッツ。おおむねナッツの香ばしさとラムネっぽいニュアンスの香り。
【味、フィニッシュ】
カラメルでは無く蜂蜜が強い。やがてバニラとタンニンがバランスし、シェリーが影響する酸と共にフィニッシュする。アフターは長く心地が良い。
【総評】
途出した個性は無いものの、これ以上無いという絶妙なバランスで成り立っているとても美味しいウイスキーとは言えるが、これだけバランスが良いと逆に印象に残らないかも知れない。
また、シェリー・ウッドとうたってはいるがコテコテでは無いので、その辺りを期待すると少し肩透かしかな~?
マクダフはグレン・デヴェロンとしてオフィシャル・リリースされていることは皆さんご存知だろうと思います。現在まで、ノン・エイジ、5年、8年、10年、12年と、度数が違ったり、ヴィンテージがついたりしたものがリリースされて来ており、割と安価なので買い求めやすいが、残念ながらトキメクような物は感じないので、私の店ではラインナップしたことは1度もありません。お客様が「どうしても飲みたい!」と仰るならまだしも、やはりマイナーな銘柄な為かそういったことも無く現在に至ってる次第です。
そういった経緯があるのでオールド・ボトルの類にも触手が動かず、飲んだことも数限られますが、最近のボトラー系では良い物が目白押しみたいで、現在「ムムッ!」とか思って物色中の蒸留所でもあります。
ダンカン・テイラーの他に、何か「コレ!」って言うアドバイスがあれば是非お聞きしたいので、宜しければ皆さんのご意見をお願い致します。
2007年10月10日
【L】 LOCHSIDE / ロッホサイド
ハイランド地区L
【L】 LOCHSIDE / ロッホサイド
●ウェブ・サイト・・・・なし
●所在地・・・・・・・・Montrose, Angus
●創立・・・・・・・・・1957年
●閉鎖・・・・・・・・・1992年
●所有者・・・・・・・・Destilerias y Crianza
●発酵槽・・・・・・・・ステンレス×9基
●蒸留器・・・・・・・・初留×2基 再留×2基
●仕込み水・・・・・・・敷地内の井戸水
●ブレンド銘柄
サンデー・マクナブス
ディーク(DYC)
*サンデー・マクナブスは上記所有者の前オーナーであり創業者でもある「MacNab Distillers Ltd.(ASD関連会社、1957年~)」が製造していた銘柄で、当然蒸留所を稼動させていたのも同社らしい。
ディークは見て分かる通り、スペインのウイスキー会社「Destilerias y Crianza」の頭文字を取ったブレンデッド・ウイスキーで、やはりスペインで主にリリースされていた銘柄みたいだ。また、この時代にオフィシャルのモルト・ウイスキーが存在することも忘れてはならない事柄だろう。ちなみに、創業者「MacNab Distillers Ltd.」の文字はラベルから消えてはいない。
今回所有者を「Destilerias y Crianza(1973年~)」としたのは、閉鎖時のオーナーである「Allied Lyons Ltd.Allied Domecq(現在Allied Distillers Ltd.)」が所有した1992年に閉鎖となっていて、製造していたのか定かでは無いので前オーナーを採用した。
ロッホサイドで記述せねばならないのは、前身がビール醸造所だったことと、1957年の買収時にコフィー・スティル(連続式蒸留機)を導入したこと、そして瓶詰め設備があったことで、ブレンドから出荷まで全て同社にてまかなえたことだろう。しかし、残念ながらコフィー・スティルは1970年に取り外されている。確かケイデンヘッド、ジェームズ・マッカーサー、ダグラス・レインのクラン・デニー・シリーズでこのグレーン・ウイスキーを見たことがあるので、執念深いウイスキー・ラヴァーなら飲んだことあるかも知れない(笑)。
【ティスティング No.104】
ロッホサイド 22年熟成 1966-1989 43% シグナトリー詰め
Cask No.7253~55, Bottle No.207 of 800
【色】
銅色、通常のアモンティラード位(チャート1.0~)
【香り】
トップは完全にシェリー。弱くワックス、リンゴ、シナモン、カラメル、柑橘類、バニラ。クリーミー&フルーティで、プリンのような印象。
【味、フィニッシュ】
シナモン、ナツメグ、レモンの皮。およそスパイシーな印象だが柑橘の特徴からバニラとカラメルの印象が良い。キレはあるが、長くクリーミーさだけが口に残る。
【総評】
元の度数の低さもあるし若干のアルコールの飛びも感じるので全体的に痩せた印象がある。しかし、味わいの1つ1つはクッキリと特徴を主張し、ロッホサイドを口にした記憶は余り無い私でも、現在ではあり得ないような出来の良さを感じるとハッキリと言える。
現在オフィシャルは入手可能だが非常に高額(海外某サイト£235)。比較的閉鎖は近年なのだがボトラー関係もリリースが少なく、日本では限られたボトラーしか流通が無いので、比較しようにも面白みは少ないだろう。
また、すでに90年代蒸留のものがリリースされている所をみると、以外に現存数が少ないような気もするので、ストックするなら今のうちと言えなくもないかも??
ま、それほど入れ込んでる人もいないと思うが、ショート・エイジを飲みたいのなら間違い無く速いゲットをお勧めします。
2007年10月09日
【L】 LOCH LOMOND / ロッホ・ローモンド
ハイランド地区L
【L】 LOCH LOMOND / ロッホ・ローモンド
●ウェブ・サイト・・・・http://www.lochlomonddistillery.com/
●所在地・・・・・・・・Alexandria, Dumbertonshire
●創立・・・・・・・・・1966年(65年と書いてある資料も有る)
●所有者・・・・・・・・Loch Lomond Distillery Co. Ltd.
●発酵槽・・・・・・・・ステンレス×8基
●蒸留器・・・・・・・・初留×3基 再留×3基
●仕込み水・・・・・・・リーヴン川とローモンド湖
●ブレンド銘柄
ハワード・マクラーレン
ハウス・オブ・スチュアート
ロイヤル・エスコート
スコシア・ロイヤル
SCOTS EARL(現在のHPに記載されている銘柄)
*全て系列のブレンデッド・ウイスキーで、同社所有のロッホ・ローモンドをはじめ、リトルミル、グレン・スコシアなどが主にブレンドされている。
特に歴史的関連の深いブランドは無いので、1985年の「Glen Ctrine Bonded Warehouse Ltd(のちにLoch Lomond Distillery Co. Ltd.へ社名変更)」による買収によりブレンドされ始めたと見て良いかも知れない(もしくは下記1994年のブレンデッド・メーカー買収以降)。
創立にはリトルミル蒸留所が深く関与しており、資料では当時のオーナーとして名前が刻まれているし、元々は第2工場としてしてスタートしている。どこか似たキャラクターなのはこの辺に理由がありそうだ。
また、ブレンデッドに関しては1994年に同社がブランドと共に買収したギブソン・インターナショナル社(現在のギブソン・スコッチ・ウイスキー・ディスティラーズ社)がロッホ・ローモンド・デスティラリー社の系列会社として製造にあたっている(ちなみにグレーン・ウイスキーの製造を始めたのもこの年)。
ロッホ・ローモンド蒸留所の面白い所は8つのモルト・ウイスキーを作り分けしている点と、1つのグレーン・ウイスキーを製造している点で、それぞれ、使用する蒸留器や数、フェノール値(ピートの炊き込み加減)の違う麦芽、蒸留されるアルコール度数(精度)などを細かく変更されているようだ。
●Single Malt Whisky●
Cloftengea
Inchmoan
Craiglodge
Old Rhosdhu
Glen Douglas
Inchmurrin
Loch Lomond
Loch Lomond HP (Heavily Peated?)これだけ不明。ブレンド用か??
●Grain Whisky●
Loch Lomond
現在はほぼ全てリリースされているのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、その全容が公になったのは2004年、ドイツのリンブルグ「The Whisky Fair」向けのクロフテンギアがリリースされてからで、当時は憶測交じりな情報があったりして私も随分混乱したものでした。
このクロフテンギアについてはいずれテイスティング・ノートを書こうと思っているので詳細はさけますが、同蒸留所の中では一番ピーティだと言われており、データ上ではアイラ産のウイスキーと同様に高い数値(40PPM)を誇っています(体感は違いますが・・)。
ちなみに上記モルト・ウイスキーのリストは、上からおおよそピーティな順です。
【ティスティング No.103】
インチマリン ノン・エイジ 40% 蒸留所詰め
90's Rotation
【色】
琥珀色。(チャート0.7~)
【香り】
バニラ、押し麦、紙っぽい藁、染料、薄っすらと杏。フローラルさもあるが、おおよそは藁の香りとケミカル感を覚える。濡れたダンボールと言えば濡れたダンボールかな~?(笑)
【味、フィニッシュ】
バニラの甘さから直ぐにジンジャー系スパイスへ移行。ヒリヒリと喉を刺激するが割合心地が良い。特に変化は無く、甘さが戻って来た頃にはフィニッシュする。余韻は短いが嫌味は無い。
【総評】
今回のインチマリンはその昔、まだ日本では見かけなかった頃に興味本位で個人輸入した1本なんだが、ほとんどお客様には勧め(られ)ず、バックバーの肥やしになっていた物で、今となっては珍しいインチマリンのノン・エイジ。
ウイスキーとして際立ったものは特に無いが個性としては面白い。しかし、リトルミルとだぶって感じるのは私だけじゃ無い筈なので、唯一無二の個性とは言えないでしょう。
事実、データへも書いたが、この2つは双子のような蒸留所で、親(会社)も一緒だが個性も良~く似ている。やったことは無いですけど、ブラインドで飲んだら結構悩むのではないでしょうか?
ウイスキー・フェア物以降、俄然元気な蒸留所のイメージが付きましたが、ど~も「コレ!」っていう物に当たったためしが無く、どんだけリリースが増えても、「どんだけ~!(笑)」って感じで、購買意欲が段々薄れつつなって来た筆頭。
現在、10年熟成前後と30年前後のものはあるが途中は抜けているオフィシャル製品と、セカンド、サード、フォース・ラベル以降も蒸留所よりリリースがあるが、ボトラー関係は割合少ない銘柄で、そのポテンシャルを探るには少し心もとない感じだ。
ま、それはともかく、そろそろ変化球ばかりでは無く、フラッグ・シップになるようなウイスキーを待ち侘びている銘柄とも言えるでしょうかね~?ん~、・・待ってないかもな~(笑)。
2007年10月07日
【K】 KNOCKDHU / ノックドゥー
ハイランド地区K
【K】 KNOCKDHU / ノックドゥー
●ウェブ・サイト・・・・http://www.knockdhu.com/
●所在地・・・・・・・・Knock, by Huntly, banffshire
●創立・・・・・・・・・1893年
●所有者・・・・・・・・Inver House Distillers Ltd.
●発酵槽・・・・・・・・オレゴン松×6基
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・ノック・ヒルの泉
●ブレンド銘柄
ヘイグ
キング・ジョージ4世
インヴァー・ハウス
ピンウィニー
*ヘイグとキング・ジョージ4世は、前のオーナーであるUD社(現ディアジオ、1983年休止~1987年迄所有)の銘柄だが現在もメインの原酒としての紹介はされている。
インバー・ハウスとピンウィニーは、現オーナーのインヴァー・ハウス・ディスティラーズ社(1988年~)の銘柄で、他にもハンキー・バニスターやジェームズ・カットーなどにもブレンドされている確率は高い。
最も関係が深いのは、操業当時DCLのブランドであったブレンデッド・ウイスキー・ヘイグで、資料によると創立オーナーとして「John Haig & Co. Distillers Company Ltd」の名が刻まれているので、正にヘイグの為に誕生した蒸留所と言って間違い無いだろう。また、丁度この年にデラックス・ブレンデッドのディンプルが誕生していることも何かしら因縁を感じる。
【ティスティング No.102】
ノックドゥー 21年熟成 57.5% 蒸留所詰め
Limited Edition, Cask Strength
【色】
ゴールド。(チャート0.5~)
【香り】
麦芽やバニラ、リンゴ、パイナップル、ハーブ、キャラメル。おおむね香りは弱く、ややアルコリックな感じ。
【味、フィニッシュ】
甘さ控えめでシャープな印象。草っぽさとバニラ、フローラルな部分も感じる。割合しっかりした苦味がゆっくりと持続するが、フィニッシュは早め。
【総評】
個性や変化に乏しく面白みが少ない。カスク・ストレングスの割りに濃縮感が無くあっさりしたモルト・ウイスキーの印象。恐らくリフィルのバーボン系だと察するが、「これがリミテッド・エディション??」と、メーカーに問いただしたい位だ(安いけどね・・)。
実際ノックドゥー自体の個性は強く主張するものでは無いと思うが、「21年でこれ?」と、少し疑問が残る仕上がり具合で、熟成期間を感じるのはタンニンの苦味のみ。しかし、樽のポテンシャル如何では化ける銘柄でもあるので、あなどってはいけないのだ!!
過去味わって来たもので「コレ!」って言うのは殆どがシェリー系の樽による熟成で、オレンジがかったゴールドから一見してシェリーと分かるものまで、私は余りハズレを引いたことが無い!相性が良いということだろうが、ショート・エイジは強いアタックとフレッシュな麦芽のニュアンスがシェリーの個性とピタリとはまるし、20年前後の物になると充足感に満ちたものも存在する。
ま、こういった物を過去味わってるから今回の物に少し不満を覚えるのかも知れませんが、そういったポテンシャルがあるのに、オフィシャル、しかもリミテッド・エディションがこれだと、何やら誤解されそうで不憫な気持ちになってしまう。
最近、ボトラー関係は少なくなっているように感じますが、リニューアルされたアン・ノック名義のオフィシャル・ボトルのラインナップが増え、その存在を強くアピール始めたと思います。
リニューアル後の12年は、ラベルは洒落たデザインになりましたが、肝心の中身は、普通というか、引っ掛かりの無い味わい位の印象しか残っていません。しかし、(希望ですが)長熟の中にはきっと良い物もあるでしょう。後は皆さんの舌でご判断を!!
2007年10月06日
【G】 GLENURY ROYAL
ハイランド地区G
【G】 GLENURY ROYAL / グレンユーリー・ロイヤル
●ウェブ・サイト・・・・なし
●所在地・・・・・・・・Stonehaven, Kincardineshire
●創立・・・・・・・・・1825年
●閉鎖・・・・・・・・・1985年
●所有者・・・・・・・・Diageo Moet Hennessy (旧UDV社)
●発酵槽・・・・・・・・オレゴン松×6基
●蒸留器・・・・・・・・初留×2基 再留×2基
●仕込み水・・・・・・・コーウィー川
●ブレンド銘柄
キング・ウイリアム4世
*「King William IV」というブレンデッド・ウイスキーは日本への輸入は無いようだが、現在もディアジオの銘柄として紹介してあるので、生産している・・、かも知れないが、ほぼ間違い無くブレンドはされてないだろう。閉鎖時はUD系列だったことから、所有者は「Diageo Moet Hennessy」とした。
【ティスティング No.101】
グレンユーリー・ロイヤル 23年熟成 1971蒸留 61.3% 蒸留所詰め
RARE MALT SELECTION, 90's Rotation
【色】
シェリー・アモンティラード、銅に近いオレンジ。(チャート0.9~1.0)ん~、もっと濃く見えるかも?
【香り】
焦げた砂糖、ワックス、シナモン・ケーキ、湿った古い木、バター、桃、ピート。酸があり練れた複雑な香り。ビッグな予感(ワクワク)。
【味、フィニッシュ】
ウェイトのあるウッディさが支配的で、まるで焦げた木材といった印象。最初はバニラやある種のフルーツを感じるが、直ぐにタンニンが現れ塗り潰してしまう感じ。酸が程々効いているので飲み込み難さは無いが、苦味が甘みより勝っているので少しバランスに乏しい。しかし、アフターは十分な長さがあり、苦味が消え始めた頃に、シナモン、バター、桃系フルーツ、煙が再び現れる。
【総評】
スンゴイ分厚くて香りは最高に良いんだけど味わいはもう1つ(涙)。私的には「あぁ・・!・・おしい!!」といった感じ。でも、ある程度の苦さが大丈夫な方なら「ウホッ!」っと、トキメクような人も居るかも知れません(笑)。
今回のボトルは、レア・モルト・セレクション・グレンユーリーでも確か初期にリリースされたもので、一応、久々のオーナー詰めということで喜び勇んで買い求めたんですが、当時も、恐らく上記のような内容な為、バック・バーの奥が定位置になってしまったんじゃないかと思います。
しかし、60度を超えるハイ・プルーフなのに額面ほど強さを感じないのは特筆で、伊達や酔狂で10年以上もバック・バーで寝てはいなかったとは言えるでしょう!!(笑)
現在日本では、ディアジオからの50年熟成とレア・モルト・セレクション(殆ど売切れ)以外はボトラー関係が少量出回っている程度。これまた枯渇する一歩手前か!?との印象を持つが、海外に目を向けるとまだまだ在庫されているようなので、完全に枯渇するには幾ばくかの時間の猶予はありそうだ。先ず持ってグレンユーリーに入れ込んでる人は居ないと思うが(笑)、将来の為に購入しておくのも1つの案だろうとは思う。
ちなみに大全に掲載されているジョン・ギロン・ラベルのものは最近日本で殆ど見かけなくなってますが、某海外サイトにて£299(高っ!)で販売されているので、入手したいのであればほぼラスト・チャンスだと思われます。
2007年10月05日
【G】 GLENUGIE / グレンアギー
ハイランド地区G
【G】 GLENUGIE / グレンアギー
●ウェブ・サイト・・・・なし
●所在地・・・・・・・・Peterhead, Aberdeenshire
●創立・・・・・・・・・1831年
●閉鎖・・・・・・・・・1983年
●所有者・・・・・・・・Whitbread & Co.Ltd.
●発酵槽・・・・・・・・カラ松×4基
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・地元の泉(Wellington Spring)
●ブレンド銘柄
ロングジョン
*上記ブレンデッドへは閉鎖時のウィットブレッド社(1975~1983)の、多分前々オーナーであるストラスクライド&ロング・ジョン・デスティラーズ(1958~)からだと思われるが、途中社名がロング・ジョン・デスティラーズとなり、1970年に買収したとされるロング・ジョン・インターナショナル社へ移行しているのは少し訳が分からない。
いわゆる大人の都合(笑)って感じだが、更に時代をさかのぼると結構数奇な運命を持つ蒸留所だと言うことも分かる。
現在、「North Sea Oil engineering firms」と言う油田プラントの会社が所有しているらしいが、蒸留所としての機能はおろか面影も殆ど残って無いようだ。
【ティスティング No.100】
グレンアギー 19年熟成 1978-1997 57.4% シグナトリー詰め
Silent Stills, Cask No.2407, Bottle No.177 of 220
【色】
オレンジの強いゴールド。(チャート0.8~0.9)
【香り】
シェリー、溶剤、昆布、甲虫を飼っていたおが屑、オレンジの皮、スイカの皮の漬物。ん~・・、慣れれば気にならなくなるが、非常に特殊なインパクトのある香りを放っている。
【味、フィニッシュ】
バニラとシェリー樽から来る酸、ややスパイスとタンニンが強く、バランスは悪くないが香り程複雑さは無くあっさりとした印象。19年熟成にしてはアフターは短く、差しさわりの無いバニラとジンジャー&シナモン、酸で切れ上がる。
【総評】
香りの面白さからは想像だにしないスマートな味わい。悪くは無いが、ある意味肩透かしをくらったような気分にさせられる。恐らくセカンド・フィルだと思うが、トップに感じるシェリーの香りは味に然程影響を及ぼして無く、スパイシーな印象の方が強い1本だ。
1983年閉鎖組の中でもレアな類で、オフィシャルのボトルは一切のリリースが無く、大手のボトラーでも極端に少ない銘柄。現存する樽は少ないと思われるが、過去これといった味わいの物も無いので話題に上ることも少ないと言えるだろう。
現在、当然長期熟成ばかりになっているので、以前よりは味わいも出て来たと察するが、実際は味わいより、そのレア度の方で高額になっているような気がする?また、見たところシェリー物が多いのは1つの個性と言えるかも?ま、しかし、コレクター、もしくは、余程のモルト・ジャンキー位しか購入する人は居ないかも知れませんね~。
●丁度100本目のテイスティングなので、何かビッグなものをと考えましたが、特にリクエストでも無いのに余りに自分本位かな?と、思いましたのでハイランド地区続行しました。全蒸留所までもう少しかかると思いますが、2週目以降も考えてますので、これからもヨロシクです!ではでは!!
2007年10月04日
【G】 GLENTURRET / グレンタレット
ハイランド地区G
【G】 GLENTURRET / グレンタレット
●ウェブ・サイト・・・・http://www.famousgrouse.co.uk/
●所在地・・・・・・・・Crieff, Perthshire
●創立・・・・・・・・・1775年
●所有者・・・・・・・・Highland Distillers Co plc
●発酵槽・・・・・・・・オレゴン松×8基
●蒸留器・・・・・・・・初留×1基 再留×1基
●仕込み水・・・・・・・タレット川、タレット湖(多くはLoch Turretと紹介されてる)
●ブレンド銘柄
ザ・フェイマスグラウス
*モルトウイスキー大全などに掲載されているサイトをクリックすると、現在フェイマスグラウスのサイトへ飛ばされるが、大々的にグレンタレット蒸留所の説明があるし、レアなボトルも販売されているので、まさか、これでブレンドされて無いってことはないだろう!!
しかし、同蒸留所がハイランド・ディスティラーズ社へ移行したのは1990年なので、然程古い歴史がある訳では無く、殆どの書籍では「シングル・モルトとしての出荷が多い」とあり、ブレンデッド・ウイスキーへの供給については触れられていない。
以前は普通に販売されていましたが、近年グレンタレットのボトルを見かけ辛くなったのは、案外「ザ・フェイマスグラウス」が原因かも知れませんね。
【ティスティング No.99】
グレンタレット 12年熟成 40% 蒸留所詰め
90's Rotation
【色】
ゴールド。(チャート0.4~0.5)
【香り】
バニラ、ワックス、麦芽、発酵バター、枯れ木。少し香ばしさも感じる。
【味、フィニッシュ】
酸を伴ったバニラでクリーミィ。ナッツの香ばしさと優しいスパイス感。フローラルなバターといった感じ。非常にスムースでフィニッシュまでが速い。アフターにも殆どタンニンは感じず、発酵バターと花で締めくくる。
【総評】
昔から好きな銘柄なので少し甘いかも知れませんが、ん~・・、やっぱ普通に美味いな~!!ま、しかし、発酵バターと花の特徴は好き嫌いが分かれる所でしょうか?
私的にはこういった特徴的な味わいがあった方が評価が高いのだが、実際は、良~く味あわないと見つけれなかったり、流してしまう銘柄かも知れません。しかし、以前のグレンタレットには伝説的に美味いものがあり、私も憧れたようなボトルもあったんですが、上に書いたような理由などにより、ここの所影が薄いようです。
現行のホワイト・ラベル10年は日本でも容易に見つかるが、その他のものは殆ど輸入されて無いので、懇意にしているインポーターへ頼むか、個人輸入するしか手立てが無いだろう。また、探せば今回の旧ラベルも入手可能なので新旧の比較は出来るかと思う。
ボトラー関係は以外に多いし長期熟成の物もリリースされているようですので、グレンタレットに関してはそちらで楽しむことが今の所は得策かも知れませんね。






